ピュリナワンキャットのグレインフリーはおすすめできる?問題点とぶっちゃけ評価
ツイートピュリナワンはネスカフェで有名なネスレが手掛けるペットフードです。栄養バランスが優れていることと、お手軽価格が最大の特徴で、近年売り上げを伸ばしています。
わが家もよく使っているキャットフードですが、2017年に穀物不使用のフードがラインナップに加わりました。
ピュリナワンが愛猫家に好まれている理由とおすすめのポイント、さらに新発売のグレインフリーについて私なりの評価を交えて詳しく紹介します。
コスパに優れたピュリナワンキャットフードの特徴
ピュリナワンの最大のメリットはリーズナブルな価格です。また、プレミアムフードでありながら小規模のペットショップやスーパー・ドラッグストアのペットコーナーでも見かける機会が多いことも理由のひとつと言えるでしょう。
ピュリナワンは商品の種類が豊富
ピュリナワンは猫のライフステージや嗜好、ニーズによってラインナップが豊富です。2018年現在全15種類。ロイヤルカナンほどではないにしろ、なかなかの品揃えです。
子ねこ用チキン/成猫用(チキン・サーモン)/11歳以上チキン/15歳以上チキン
チキン/白身魚
ターキー&チキン/サーモン/11歳以上ターキー&チキン
チキン/サーモン/11歳以上 ケアチキン
避妊去勢後の体重ケア/太りやすい猫用
良質なタンパク質で栄養バランスに優れている
ピュリナ社はアメリカ、スイス、フランス、オーストラリアに研究所を持っています。そこでは獣医師、栄養学者、動物行動学者、微生物学者、栄養生化学者、免疫学者からなる500人以上の科学者が研究を続けています。
ペットフードの製造は栄養士が中心となって開発製造されています。そのコンセプトの中心は、
- 業界「基準」は満たすものではなく、「超えるもの」である
- より優れた栄養を満たすためには「美味しさ」と「消化しやすさ」が必須
- 高品質の原料を最適なバランスで配合することによってより効果を高める
ペットフードの栄養基準は、アメリカはAAFCO(米国飼料検査官協会)の国際給餌基準、欧州はFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)があります。
ピュリナの製品は当然すべての商品において、基準をクリアしていますが、さらにそれを上回る製品を提供し続けています。
多頭飼育にも嬉しい価格設定
スーパーなどの店頭に並ぶお安めのキャットフードは、ほとんどが穀物をたくさん使っています。穀物がすべて悪いわけではありませんが、この場合はやはり『かさ増し』のために使っているといわざるを得ません。
ピュリナは第一主原料に肉を使い(一部商品は除きます)、栄養バランスも優れ、危険とされる酸化防止剤も一切使わず安全性も備えたキャットフードです。
猫の健康のためにはハイグレードなプレミアムフードを買いたいけれど、そこまで余裕がないという飼い主さんには、とてもありがたい安心フードなのです。
コストパフォーマンスに優れたキャットフードの筆頭とも言えます。
わが家の愛猫たちとピュリナワンキャットフード
現在わが家の3匹の猫たちは、メインにピュリナワンキャットフードでフードローテーションで他のフードを食べさせています。ピュリナワンは定期購入しています。
さらに、1年通してだいたい滞在している預かりの保護猫たちもメインフードはピュリナです。特に子猫には、まずピュリナで様子を見て、何もなければ里親様にお届けするまで続けます。
子猫にはピュリナのほか、ヒルズ・ロイヤルカナン・メディファスなども与えますが、安全性の高いフードでなおかつ手に入りやすく、手の出しやすい価格であることが条件なのです。
中でもピュリナは栄養バランスもよく、嗜好性も群を抜いているように感じます。食べなかった子はほとんどいません。
ネットでしか購入できない商品では、里親さんの元へ行ったときにちょっと大変ですからね。
ピュリナワングレインフリーのコンセプト
さて、ピュリナワンから新発売されたグレインフリーですが、やはり昨今の『猫は穀物が苦手』とされ、グレインフリーのフードに注目が集まっていることと無関係ではないでしょう。
公式サイトで紹介されている商品の特長には、
- 肉食の猫の本能が求める食事
- グレインフリーで穀物が苦手な猫に食物アレルゲンケア
とあります。また、やわらかほぐし粒で食感にバラエティを持たせていることも特徴といえます。野生の食事ではいろいろな食感であるため猫がよろこぶ・・・?
ピュリナワングレインフリーの種類と詳細情報
今回販売されたグレインフリーキャットは「チキン」と「白身魚」の2種類です。それぞれの原材料と成分値を見てみましょう。
ピュリナワングレインフリーの原材料
チキン、チキンミール、えんどう豆でんぷん、キャッサバ粉、大豆たんぱく、牛脂、脱脂大豆、えんどう豆たんぱく、卵、キャノーラミール、たんぱく加水分解物、酵母、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン、硫黄)、グリセリン、アミノ酸類(リジン、タウリン、シスチン、メチオニン)、ビタミン類(A、D、E、K、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、B12、コリン、ビオチン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール)
白身魚、チキンミール、えんどう豆でんぷん、キャッサバ粉、大豆たんぱく、牛脂、脱脂大豆、えんどう豆たんぱく、卵、キャノーラミール、たんぱく加水分解物、酵母、チキン、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン、硫黄)、グリセリン、アミノ酸類(リジン、タウリン、シスチン、メチオニン)、ビタミン類(A、D、E、K、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、B12、コリン、ビオチン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール)
ここで、ちょっと原材料についての補足です。
キャノーラというと『油』を思い浮かべますね。まさにそのキャノーラです。植物油として一般に知られている菜種油のうち、ナタネの1品種であるキャノーラから絞られたのがキャノーラ油です。
キャノーラという名称は、CANadian Oil, Low Acidに由来します。カナダで品種改良されました。ナタネに多く含まれ、健康に良くないとされる不飽和脂肪酸のエルカ酸とグルコシノレートが極めて少ないのが特徴です。
キャノーラミールとは、搾油したあとの搾りかすのことです。主な用途は食肉用鶏や豚、乳牛など家畜の飼料です。タンパク質や脂質、繊維が含まれています。
ただ、キャノーラはナタネの品種の中でも遺伝子組換えによるものがもっとも多いのが気になる点です。
ピュリナワングレインフリーの成分値と代謝エネルギー
次に保証成分値です。タンパク質、脂質、繊維の割合などを参考にフードを選ぶ際には、必ず確認したい項目です。
グレインフリーチキン | グレインフリー白身魚 | |
---|---|---|
タンパク質 | 35%以上 | 35%以上 |
脂質 | 14%以上 | 14%以上 |
粗繊維 | 2%以下 | 2%以下 |
灰分 | 9%以下 | 9%以下 |
水分 | 12%以下 | 12%以下 |
カルシウム | 1.0% | 1.0% |
リン | 0.9% | 0.9% |
マグネシウム | 0.12% | 0.12% |
タウリン | 0.15% | 0.15% |
リノール酸 | 1.4% | 1.4% |
ビタミンA | 10,000IU/㎏ | 10,000IU/㎏ |
ビタミンE | 100IU/㎏ | 100IU/㎏ |
オメガ6脂肪酸 | 1.5% | 1.5% |
代謝エネルギー | 約413kcal/100g | 約365kcal/100g |
成分値は「チキン」と「白身魚」では同じです。代謝エネルギーが異なっています。同じ量を食べた場合、チキンの方が高カロリーになります。
そのため、給与量の目安が違うんです。
猫の体重 | チキン | 白身魚 |
---|---|---|
2~3kg | 30~45g/日 | 30~50g/日 |
3~4kg | 45~60g/日 | 50~65g/日 |
4~5kg | 60~70g/日 | 65~80g/日 |
5~6kg | 70~90g/日 | 80~100g/日 |
6~7kg | 90~100g/日 | 100~115g/日 |
グレインフリーにした場合の猫1匹で1ヶ月にかかる食費は?
気になるコストですが、体重5㎏の猫が1ヶ月にかかる食費について計算してみました。フードのサイズは、1匹の猫が1ヶ月で食べきる程度を想定しています。
定価が1.6㎏で1,915円です。1ヶ月一袋では足りないですね。計算してみます。100gあたり119.7円。1日の給与量がチキン70g、白身魚80gなのでそれぞれおおよそ
2,513円、2,872円 (30日計算)
定期購入すれば20%offです。
プレミアムペットフード【ピュリナ ワン キャット】
グレインフリーのプレミアムフードといえばカナガンというくらいネットで知られたキャットフードです。こちらのお値段は1.5㎏入りで3,960円(税抜き)※2019年現在
1日の給餌量の目安はだいたい60g強。こちらも1袋では足りないので、ざっと計算するとだいたい5,130円ほどになります。
もちろん、グレインフリーといっても肉の種類や他の原材料も違うので、一概に値段だけで比べられません。ただ、グレインフリーのプレミアムフードは値段も高いです。カナガンはまだお手軽価格です。
カナガンについてはこちらの記事も参考にしてね。
グレインフリーキャットフードのカナガンとシンプリーの違いは?
ピュリナワングレインフリーの本質に迫る
グレインフリーのキャットフードというと、高タンパクとイメージしますよね。実際多くのフードがそうです。例を挙げると、
カナガン(チキン)・・・37.0%
ニュートロ(ワイルドレシピチキン)・・・40.0%
アカナ(ワイルドプレイリー)・・・37.0%
オリジン(キャット&キトゥン)・・・40.0%
ピュリナワングレインフリーのタンパク質は35.0%です。少し少なく感じますね。実は、ピュリナワンの他商品(グレインフリーではないシリーズ)のタンパク質量はインドアキャット2種は40.0%です。
グレインフリーがそうでないキャットフードに比べて高タンパクフードだとは、一概に言えないのです。
グレインフリーの先駆者といえるオリジンやアカナは、商品コンセプトに『自然な形で取り入れる栄養素に近づける』というものです。そのため、高タンパクであることも特長のひとつです。また、それ以上に原材料から製造においてとても高い意識を感じます。
ここからは、私見を交えての話になりますが、ピュリナワンのグレインフリーは安全性や原材料に対する考え方は、従来の商品と同じですがあくまで『穀物不使用』を実現させたものです。
従来商品で使用していた米やコーングルテンを使っていない商品で、栄養バランスに優れたフードがピュリナワングレインフリーなのです。
このようなことから、グレインフリーのキャットフードを試してみたいというときは、そのメーカーの商品に対する考え方と特長を知った上で選ぶようにすることが必要になると考えています。
ピュリナワングレインフリーはこんな場合におすすめ
ピュリナワンは他のグレインフリーのフードに比べて値段がお手頃です。まずはグレインフリーを試してみたいという飼い主さんにはおすすめです。
猫はある程度の炭水化物を消化・活用できると言われていますが、それも個体差で元来苦手な猫さんもいます。なんとなく軟便が多い、逆に便秘がちなど、腸内環境が落ち着かない子も少なくありません。
米や小麦・とうもろこしを含まないフードに変えることによって、便通や毛並みに変化が見られることも十分考えられます。
わが家の猫にグレインフリーを試した結果
もともとピュリナワンは食べ慣れているのですが、反応をレポートします。
ふだんはインドアキャットサーモンを食べているので、グレインフリー白身魚を試してみました。
ピュリナワンは個包装です。(4kg入りは除く) 酸化防止剤が入っているといってもやはり開封時の新鮮な状態のものは喰い付きが良いです。
一袋ずつフードストッカーに移し変えて使っていますが、移し変えるときも楽チンです。
わが家の猫たちは、食べ盛りの娘っ子と青年期のオス猫、シニアに差し掛かったオバちゃん猫です。
3匹ともドライフード派で、特にオバちゃんはウェットは口をつける程度かまったく無視・・・という嗜好です。
さすが若ネコは開封するとすっ飛んできて撮影終わらないうちに食べてました。。。オバちゃん猫は、カリカリなので特に気にせず食べてました。
ふだんからポリポリ少しずつ食べる子なので、あんまり参考にならない気もしますが、抵抗なく口にしたことは確かです。
一番食べて欲しかったアレルギー体質の男の子は・・・においを嗅ぐなり砂かけ仕草!後で食べよう・・・ではななく、明らかに気に入らない様子です。
でも、この子はフードを変えるととりあえずこうなります。ふだんのカリカリに混ぜてしまえば普通にポリポリ食べ始めました。完全に切り替えるには少しずつ増やしていかないとプイッとされるので面倒な奴なのです。
ピュリナワングレインフリー総評
昨今、グレインフリーのキャットフードに注目が集まっています。確かに、自然界では猫は穀物を食べることはありません。そういう意味では、猫本来の食事に近いといえます。
ただ、飼い主が猫の食べ物を選ぶ際にはグレインフリーと謳っているフードであっても、与える目的をはっきりした方が良いと思うのです。
オリジンやアカナ、カナガンのように地元産の新鮮肉を使ってよりハイグレードなフードの提供をしているメーカーの商品はやはり価格にも反映されます。
もちろん、そうしたフードを選ぶことは猫の健康に大いに良いことですが、飼い主である私たち人の生活も大切です。猫の食費も生活費の一部です。
ピュリナワングレインフリーは、価格を抑えて穀物フリーのフードを与えてみたいという人にはおすすめできる品質のものです。
穀物の消化が苦手な猫の場合、タンパク質の吸収率も落ちるとも言われています。猫ちゃんのプチ不調が米や小麦、とうもろこしの入ったフードにあるかもしれません。
今一番売れているキャットフードのピュリナワン!コスパ大事!という方はぜひ試してみ欲しいです。穀物アレルギーがなければ他の商品もおすすめですよ。