猫がトイレに何度も出たり入ったり!なぜ猫は便秘になりやすい?
ツイート猫のトイレってどこに置いていますか?ニオイが気になる生活用品ですからねぇ、なるべく遠ざけたい気持ちもわかりますが、飼い主の目の届くところに設置することをおすすめします。
トイレの掃除をするときには、愛猫の尿の回数やウンチの様子をチェックしていると思いますが、排便の様子を観察することも大事な健康チェックだからです。
まず、猫って便秘になりやすいということを頭に入れておきましょう。
猫が便秘になりやすい動物って本当か?
猫は便秘になりやすい動物って知ってました?まず、多くの飼い主さんが誤解しているのは、猫のウンチは固くてコロコロしている・・・ということです。
事実として、こんなことを実際に聞いたことがあります。
道端にウンチがあって、それがコロコロと固そうな場合は『猫のウンチ』だと言う人が多いです。また、猫を飼っている人でも、『猫のウンチは固い』のが当たり前だと思っている人が多いのです。
猫の健康なウンチを知っておこう
まず、小さな玉がつながった数珠のようなウンチ、これはあきらかに水分不足です。言ってみれば、これも便秘といえますよ。
人間と同じように、健康な猫のウンチは1本バナナウンチです!長さは人間の人差し指くらい。1回の量は人差し指くらいのものが1~2本くらいが目安です。
排泄したばかりのウンチは、水分を適度に含んで表面にツヤがあります。時間が経つと分からなくなってしまいますが、猫砂が付いていたら水分があった証拠でしょう。
また、排便直後のウンチは柔らかいです。形が崩れているときは下痢気味といえますが、スコップで押したときにムニュッとめり込むくらいが良い固さです。
猫が排便したときに居合わせたら、便の状態をチェックしてくださいね。
なぜ多くの猫がコロコロウンチなのか?
私は猫と暮らしてもう20年以上になりますが、やっぱりコロコロウンチの猫は多いです。なぜなのか?それは、猫の持って生まれた体質や習性が大きく関係しています。
現在私たち人間と一緒に暮らす猫はイエネコ科に属します。その祖先は砂漠で暮らすリビアヤマネコであることがわかっています。
乾燥した土地で生息してきた彼らは、少ない水分量で生きていく身体に進化したと思われます。その最たるものが濃縮された尿です。猫のオシッコってかなり強烈なニオイですよね。尿に関しては別の記事で書きますね。
飼い猫の多くが水分不足!?なぜ猫は水を飲まない?
砂漠で生きる猫にとって、水分摂取は生き餌の生肉がほとんどです。猫の食事をすべてネズミで賄うとして、どのくらいの水分を取れるのか計算してみましょう。
成猫が必要なエネルギーを得るためには、1日に10匹程度のネズミが必要です。だいたいネズミの生肉の水分量を重量の70%とします。
猫が捕まえるネズミの体重を10gとします。1匹の生肉で7mlの水分を摂取することができ、それが10匹で70ml。それに少しの飲水量を足した位・・・このくらいが猫が1日に摂る水分量の目安です。
具体的にあらわすと、体重1kgあたり20~45mlが1日に摂るべき適正な水分量です。
あなたの猫ちゃんは足りてますか?
この量はフードの水分量も含んだものですが、現在猫のフードはドライが主流です。ペットフード協会の調査でも、ウェットと併用も含めると約9割の飼い主さんがドライフードを使っています。
ドライフードの水分量は5~10%。もしドライフードだけの食事をしているとしたら、最低でもドライフードの2倍の量(ドライフード1gにつき水2ml)は最低で飲んで欲しいところです。
ふだん食べているフードの水分量を確認してみてくださいね。
でも、猫ってあまり水を飲んでくれない生き物なのです。それは、上記にも書いたように、祖先が砂漠で暮らすリビアネコだから!どうやら喉の渇きを感じにくい体質になってしまったようなのです。
おまけに、すこぶる面倒くさがりやというのが猫の習性!?喉が渇いたな、と思っても近くに水がないと「まぁいいか」と諦めてしまうというではないですか!やれやれ、ですね。
猫が便秘になる原因は?外的要因と内的要因
このように、猫は放っておいたらあまり水を飲まないのです。健康なウンチには適度な水分量が必要です。水分が足りていないことも便秘の原因です。
また、人間にも言えることですが『トイレを我慢する』ことも要因となります。大腸の中に長く留まると、その分水分も吸収され、固いウンチになってしまいます。
腸の働きそのものが不十分なこともあります。ストレスもそうだし、外的要因として異物や毛玉がたまっていることでも便秘になります。また、腫瘍や巨大結腸症といった病気が原因のこともあります。
猫が便秘になる大きな要因
- 水分量が足りていない
- トイレを我慢してしまうことが多い
- 異物や病気・ストレスなどで腸の動きが不十分
どんな猫が便秘になりやすい?
猫は便秘になりやすい動物であることは確かです。ただ、その中でも注意が必要な猫のタイプがあります。これらが当てはまる場合は、日頃から排便を注意深く観察するようにしましょう。
- シニア猫
- 肥満猫
- 腰椎や尾骨が変形している猫
- 先天的に骨盤が狭い
- 神経質な猫
腸の蠕動運動を妨げる肥満には要注意!
猫もシニアになったり太りすぎの場合は便秘の子が増えてきます。それは、腸の蠕動運動が不十分になりやすいから。
歳をとるのは自然なこととして、太り気味の猫ちゃんはダイエットをするなどして便秘にならないようにしたいものです。
猫のダイエットは、食事の見直しが一番効果的です。
狭い場所をすり抜ける猫は骨盤も狭い!?
猫が便秘になりやすい外的要因のポイントとなるのが骨盤!猫って身のこなしがしなやかで、狭い隙間も通り抜けることが出来ます。本来は・・・。
猫の狩りの仕方は、
待ち伏せして・・・飛び掛る
そろりそろりと近付いて・・・飛び掛る
そうした狩猟スタイルをするために、犬に比べて骨盤が狭いのです。ウンチは大腸から肛門に押し出されますが、結腸が骨盤を通る穴を骨盤腔といいます。これが狭い!もともと狭い。
そんな猫が、骨盤を骨折したりしてさらに便が通りにくくなったらそれこそ即便秘です。また、成長期に栄養状態が悪く、骨の発達が不十分なまま成長してしまうこともあります。
猫にとってもトイレ事情はデリケートなのだ
猫は元来きれい好きです。汚れたトイレは使いたくないのは当たり前。できれば毎回きれいにして欲しいはずです。無理な場合は、大きめのトイレを用意するか、複数用意しましょう。
多頭飼いの場合は、トイレの数は頭数プラス1は必要です。
設置場所は、落ち着く場所で目の届くところ。なかなか難しいですけどね。ドアの近くなど、人が往来する場所は避けましょう。
トイレの使い方って猫それぞれです。真ん中でどーんとする子、端っこでする子、ヘリに乗ってする子。フード付きトイレを嫌う子もいます。においがこもって嫌なんでしょうね。
猫砂の好き嫌いもあります。愛猫の好みにあったトイレ環境を整えてあげましょう。
猫にこんな症状があれば便秘かも?
さて、こんな様子が見られたら猫の便秘を疑いましょう。
- 3日以上便が出ていない
- 排便姿勢をとるのに出ない・または少ししか出ない
- コロコロした固いウンチ
元気があって1~2日便が出ていないときはいわゆる便秘です。水分不足だったり運動不足だったり、問題点を見つけて対処すれば治ることが多いです。
固いコロコロウンチが続いたり、元気や食欲がない、時々吐くことがあるときは動物病院で診てもらいましょう。何か病気が隠れているかもしれないし、便秘が重症化すると大変です。
ぐったりしていたり、お腹がふくれている、嘔吐したときはすぐ病院へ連れて行きましょう。
便秘かも?と思ったら飼い主ができること
便秘の原因が、病気や寄生虫・毛玉や異物でなく治療を必要としない場合、飼い主が猫の生活習慣を見直して対処することが唯一の便秘改善策です。
水分不足が原因の場合は、水を飲ませるのが一番ですが、猫に言ってもわかってくれませんよね。フードをウェットにするだけでだいぶ違います。
シニアや肥満で腸の蠕動運動が不十分な場合は、食物繊維で刺激を与えると動きが良くなることがあります。
運動不足が原因かもしれません。大人猫でもおもちゃを使ったりして一緒に遊んであげましょう。理想は毎日2回、1回の遊びタイム15分程度です。
温めることによって腸を活性化させます。湯たんぽのようなものでじんわり温めてあげましょう。
猫のお腹を「の」の字を書くようにマッサージします。あまり強い力を入れないように、やさしく・やさしく。
まとめ(便秘にならない猫の生活習慣を!)
猫が便秘になりやすいというのは本当です。特に飼い猫は気をつける必要があります。ドライフード中心の食事は水分不足になりやすいし、室内では運動不足にもなりがちです。
便秘自体は病気ではありませんが、長く続いて重症化すると巨大結腸症というやっかいな病気になってしまうこともあります。
日常的に猫の排便には注意を向けて便秘にならない、継続しないよう気をつけてあげたいですね。「あれ?何か変だな」と気がついてあげられるのは一番身近にいる飼い主なのですから。