シニア猫の便秘解消法

シニア猫に多い便秘の原因と解消法は?腸活で目指せご長寿にゃんこ!

 このエントリーをはてなブックマークに追加 

あなたの横で気持ち良さそうに寝ているネコちゃんは何歳ですか?ふわふわの被毛におおわれたやわらかい体の猫は、ぱっと見ただけではその変化はわかりにくいです。

  • あれ?なんだか毛がパサパサしてる
  • ん?お口臭くない?

 

ある日突然気がついて、改めて歳を重ねて高齢になっていることに気づかされる・・・なんて経験ありませんか?

 

便秘は高齢猫に多い症状です。便秘の原因はいろいろありますが、日々の生活の中で解消できることも少なくありません。シニアになるとなぜ便秘がちになるのか、飼い主ができる便秘解消法を紹介します。

 

 

猫のシニア期っていつから?老化のサインは?

丸くなって寝る猫

 

猫の寿命は年々伸びています。完全室内飼いであれば約16歳!外出自由が当たり前だった昔は、だいたい5歳くらいといわれるので、家族としては嬉しいことですね。

 

でも、その分愛猫の老いていく姿を見守ることになります。猫にとって体力が下り坂に向かうシニア期って何歳からでしょう?

 

それを知る目安として、人の年齢と猫の年齢を比較した「年齢換算表」があります。

 

生後2~3週 生後7~9ヶ月 10歳 56歳
生後3~6ヶ月 5~12歳 11歳 60歳
生後10~12ヶ月 15~18歳 12歳 64歳
2歳 24歳 13歳 68歳
3歳 28歳 14歳 72歳
4歳 32歳 15歳 76歳
5歳 36歳 16歳 80歳
6歳 40歳 17歳 84歳
7歳 44歳 18歳 88歳
8歳 48歳 19歳 92歳
9歳 52歳 20歳 96歳

 

猫は2歳で人の24歳に相当します。以後、1年に4歳ずつ加えていきます。

 

猫は7歳を超えたらそろそろシニア期

 

もちろん個体差はありますが、猫は7歳を過ぎたらシニア期に入ります。もう若くない、ということ。人間でもアラフィフになれば、いろいろと体調に変化が起きてきますね。

 

まだ7~8歳では見た目は全然変わらない子が多いです。人間の雌としてはうらやましい限りです。

 

猫

 

老化のサインがあらわれるのは10歳くらいから

10歳でも元気に走り回っている猫さんはたくさんいます。我が愛猫も毎日階段をダダダダッと昇り降りしていました。見た目もそれほど変わらないように感じます。でも、最近こんなことありませんか?

 

仰向けで寝なくなった

ヘソ天なんて言いますね。無防備なその寝姿はなんともほっこりします。

 

座っているとき前足がくっついていない

チンマリ座っている姿も可愛いです。そのとき、前足をくっつけているのが猫のイメージですね。それがなぜか開いた状態になってくる子が多いです。

 

皮がたるんできた?走るときお腹が揺れる

 

これらはほんのささいな変化ですが、体の柔軟性がなくなってきたことや、被毛におおわれてわかりにくいけれど皮膚のハリがなくなってきていると考えられます。

 

高齢になると猫も便秘になりやすい!その理由は?

シニア期になると便秘がちになる猫が多いです。うちの9歳になるお嬢さんも最近ウンチがコロコロと固くなってきて要注意なのです。この時期からは、老化にともなっていくつもの要因が重なって便秘になってしまうのです。

 

シニア猫

 

加齢による猫の体の変化が原因のとき

 

若い頃より運動量が減ってくる

人間も運動不足になると便秘になりやすいですね。猫の心はいくつになっても子供のままで、シニア期になっても遊ぶ子も多いですが、運動量は若い頃に比べるとぐっと減ります。

 

排便時のいきむ力がなくなってくる

老化に伴って筋力も落ちてきます。スルッと快便ならば苦労はしませんが、固いウンチだと腹筋など筋力も必要です。その力が弱ってきてしまうのです。

 

腸の働きが弱くなる(消化吸収能力が低下する)

猫もシニア期なると体全体の代謝が落ちてきます。体内の酵素が減ってくることも大きな原因です。そうなると腸の働きも悪くなって消化吸収能力が低下します。

 

水分量の不足

イエネコの祖先は砂漠に住むリビアヤマネコなので猫はもともとあまり水を飲みません。猫にいかに水を飲ませるかは、健康管理に欠かせない要素です。シニアになると、面倒くさくて水を飲まない!ということも起きてきます。

 

食事量の減少

食事の量が減ると排泄物も少なくなります。便量が減ると排便もしにくくなってしまうのです。口内炎や病気が原因で食事量が減ってしまうことも考えられます。

 

便意を我慢してしまう

人間なら授業中や会議中に便意をもよおしたら、つい我慢してしまうってことはあります。猫が?と思うかもしれませんが、ねこ様はデリケートなので、他の猫が見ていたり、トイレが汚れている、トイレに行くのが面倒くさい!という理由で我慢してしまうこともあるのです。

 

高齢猫の便秘で考えられる病気は?

猫も高齢になると病気のリスクが増えてきます。老化によって便秘になりやすいことも確かですが、病気が原因のことも十分考えられます。代表的な病気を紹介します。

 

巨大結腸症は重症便秘!

巨大結腸症とは、大腸の一部である結腸の筋肉が伸びきって、そこに便が溜まって排便しにくくなる病気です。先天的に腸や神経に異常がある場合や、事故などによって骨盤が変形してしまうことが原因にもなります。慢性の便秘が元で、重症便秘といわれる症状です。

 

猫に多い慢性腎不全

腎不全の初期症状としても便秘が起こります。腎不全の症状として多飲多尿を思い浮かびますが、尿として水分を大量に排出するために体は脱水状態になります。そうなると腸内の水分を吸収する作用が働きます。結果として便が水分不足で固くなってしまうのです。

 

シニア猫

 

溜まった毛玉が原因に?(毛球症)

猫はたまに毛玉を吐き出しますね。この正体は、グルーミングのときに飲み込んでしまった毛が胃の中でフェルト状になったものです。まったく吐かない子もいますが、その場合は便と一緒に排出されています。

 

高齢になると、腸の働きが低下して飲み込んだ毛玉を排出しにくくなります。吐き出すのも体力が必要なので、毛玉は溜まる一方になることも!それが原因で便秘になることもあるのです。

 

高齢猫の便秘解消法はプラスアルファで

子猫からシニアまで、便秘は放っておくと慢性化したり病気を見過ごしたり、猫の健康にとって好ましくありません。上記で紹介した巨大結腸症になってしまったり、毛球症がひどくなると腸閉塞を起こしてしまうこともあります。

 

まだ若い頃から排便チェックは大事ですが、シニア期にはより注意が必要です。日常生活で飼い主さんができる便秘解消法をいくつか紹介しますね。

 

シニア用のフードに変える

猫の食餌風景

 

ライフステージによってフードを変えましょう。子猫のときは高エネルギー食を、肥満気味の子は低カロリー食、シニアになったら・・・と年齢や体質に合わせた食事は健康の秘訣です。

 

シニア用のフードは成性猫用に比べてエネルギー量を抑え目にしてあります。また、消化吸収の良いたんぱく質量を調整してあったり、不足しがちなビタミンを添加、腎臓病予防にリンを抑制してあります。

 

水飲み場を増やす

先ほども書きましたが、猫はあまり水を飲みません。そのせいで便秘がちであり、高齢猫が要注意な疾患である慢性腎不全になりやすいのです。

 

「はい、飲みなさい」とコップを渡すわけにもいかないので、なんとか水をたくさん飲んでもらえるように工夫が必要です。

 

一番効果があるのがあちこちに水飲み場を作ることです。飲みたいときに飲めるというメリットもありますが、猫の習性を利用したちょっとの気分転換を提供すると良いです。

 

自分の水皿が横にあるのにキッチンに置いたコップの水を飲んだり、蛇口から滴る水滴を舐めたり、お風呂場のたまり水を飲んだり・・・こんなことってよくありますよね。

 

蛇口から水を飲む猫

 

おなかのマッサージをする

マッサージは腸を刺激して蠕動運動をうながします。それに手の温もりで温め効果もありますし、なんといっても手当ては愛情もプラスです。

 

お腹を「の」の字になるように優しく撫でてあげましょう。嫌がる猫さんには無理は禁物ですが・・・。

 

猫も腸内環境が悪くなると免疫力が低下する

高齢猫にとって便秘は必然ともいえますが、だからこそ軽くみてはいけないのです。筋力が落ちる、消化吸収力も低下する、脱水しやすくなるなど要因は多くありますが、腸内環境を健康に保つことがとても大切です

 

腸は食べたものを消化吸収するだけの器官ではないことがわかっています。免疫力にも大きく影響します。人も猫も老化によって免疫力が低下していきますが、腸を健全に保つことでそのスピードは抑えられるのです。

 

  • ライフステージや体質・体調に合った食事
  • 過度なストレスを与えない

 

このふたつは高齢猫と暮らすためにはとってもだいじなポイントです。そして、腸内環境がどんな状態かの目安になるのがウンチです。便秘を慢性化させない工夫をしましょう。

 

高齢猫と便秘まとめ

陽だまりの猫

 

猫も歳を重ねてくると体調に変化が起きます。毛艶が悪くなったり口臭がしてきたり、気をつけているとその変調に気づきます。排便も体長を量る大きな目安になります

 

猫はもともと水分の摂取量が少なく便秘になりやすい上に、高齢になって体力がなくなったり代謝が悪くなることでそのリスクはアップします。

 

便秘という症状じたい、猫にとってつらいです。それに、腸内環境が悪いということは、免疫力も低下しています。人間と同じように猫にとっても腸を健全に保つ「腸活」はとっても重要です。

 

毎日快食快便!ごきげんなシニアライフを愛猫に送ってほしいですね。

 

 このエントリーをはてなブックマークに追加 

スポンサーリンク

page top