猫の食器選びのポイント!食べやすさと洗いやすさ二つの視点で考える
ツイート猫の生活必需品のひとつに『フードボール』があります。食器、ですね。人間の場合はお茶碗・味噌碗、大小プレートなどたくさん種類が必要ですが、猫の場合は1種類です。
だからこそ!こだわって選びたいと思うのは雑貨好きの性でしょうか・・・。でも、猫自身が好んでくれなければ意味ありませんね。
他にも安全性や洗いやすさなど、考え出すと奥の深い猫の食器。今回は、わが家で活用している食器と、猫用食器を選ぶ際に気をつけたいことをまとめました。
市販の猫用食器はどんなものがある?
現在市販されている猫用食器はたくさん種類があります。ペットショップなどの店頭でも、私が猫と暮らし始めた数十年前とは比べ物にならないくらい多種多様!ネットで探すと、さらに多くて選ぶのに苦労します。
ま、単に雑貨選びが好きなので迷ってしまう・・・ということなのですが。
猫の食器選びについては、猫好きのたくさんの方がサイトで紹介しています。ポイントとして、形や材質の特長による食べやすさやお手入れのしやすさが説明されています。さらに、底上げしてあるものや早食い防止用など、一工夫されて商品も。
簡単に分類するとこんなかんじですね。
材質と特徴 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
陶磁器製 |
重さがあるので安定感がある |
割れ物なので丁寧に扱う必要がある | |
プラスチック製 |
軽くて扱いやすい |
傷がつきやすい |
|
ステンレス製 |
傷がつきにくい |
金属臭を嫌う猫もいる |
猫に合った形状の食器はねこ様に聞け!なのです
もうね、子猫からシニア猫、大食漢から食の細い子をいろいろ見てきて思うのですが、フードボールの形って猫それぞれに合う合わないがあります。
でも基本的なチェックポイントはありますから紹介しますね。
猫の食器に適した形と大きさ
- 底が浅いもの
- 食べ口が広いこと
猫はお皿に頭を突っ込んで食べますよね。そのときヒゲが当たらないことが重要です。猫のヒゲは人間が思う以上に敏感!かといってヒゲが当たらない食べ口のお皿となると、かなり直径のある大きさになってしまいます。
そのため、底の浅いものが良いのです。どんぶりに頭を突っ込んで食べていた子も過去しましたけどね・・・。
食器の大きさは、猫の顔の大きさや食べ方、人間の洗う手間などありますが、これも実際に試してみなければわかりません。市販されている猫用食器(成猫用)を基準にして良いと思います。
小さすぎると食べ散らかしの原因になりますが、あまり大きい食器だと食べづらそうです。特にウェットフードの場合はフチに寄せて食べる子も多いので、気がついたら皿のフチにぐるっとフードが・・・ということがあります。
蛇足ですが、子猫は特に大きい食器だと前足を突っ込んで大変なことになります。
キャットフードの種類によっても選び方は変わる
ふだん与えているフードがドライタイプかウェットタイプかによっても適した食器は変わってきます。上の表で紹介したタイプはどれも皿の底にしっかりフチがあるタイプですが、このタイプはドライフードが寄ってしまうと食べない子も多いです。
器用な子は前足でちょいっと手前に転がして食べますが、うちの坊主は「もういらんっ」ってなります。
そういう子の場合は、底に傾斜のついている食器が食べやすいです。
ウェットフードの場合も、今はメーカーさんがそれぞれ研究をして、返しや傾斜のついた商品が販売されています。
猫のフードボールに人間用の食器は使って大丈夫?注意点は?
わが家ではペット用として販売されている食器も使いますが、半分くらいは人間用のお皿を使っています。形も大きさもちょうどいいな、と思うものを見つけたら購入しています。猫皿ばかりが増えていく・・・。
これは最近購入したものです。うちの3ニャンズのうち2匹は顔がおっきいのでこのくらいがちょうどいいのです。ウェットのときは大体これです。
陶器なので重量もあって安定感があります。猫用食器は裏面に滑り止めがついているものも多くて、猫には良いのですが洗うときに気になるのです。
なので、人用の食器の方が使用頻度が高いです。
人用に販売されている食器を猫用に使うことに対しての注意点は、陶磁器に使われている顔料や釉薬(ゆうやく)です。きちんとしたメーカーのものであれば、有害物質に対するチェックをきちんとしているので問題はありません。
猫用食器に古い陶磁器はやめましょう
陶磁器の危険性とは、主に「鉛・カドミウム」です。食器に絵付けをするときには顔料が必要です。そこに耐久性と艶やかな表情をつくるために釉薬が使われます。釉薬は「うわぐすり」とも呼ばれます。
これらに使われた鉛やカドミウムが溶け出すと人体に悪影響が及びます。カドミウムはイタイイタイ病として社会問題にもなった物質です。
鉛は腎臓や脳に影響を与えます、また、鉛もカドミウムも発がん性が危険視されています。
これらに対しては国際的にも厳しい基準が定められています。日本では2008年に規格が改正され、陶磁器やガラス製品における鉛やカドミウムの溶出量が厳しく制限されました。
経過措置があったので、完全にこの基準が適用されたのは2009年8月1日以降です。つまり、平成21年(2009年)7月31日までと、同年8月1日以降では陶磁器における鉛・カドミウム溶出の基準が大幅に違うのです。
絵付けされた陶磁器を猫の食器に使う際の注意点
陶磁器には絵柄をつけたものもあります。絵付けといいますが、これには上絵付と下絵付けがあります。この二つの違いについて説明する前に、釉薬について簡単に知っておきましょう。
釉薬は陶磁器の表面にコーティングされたガラス質です。水分が浸透したり洩れたりするのを防ぐほかに、汚れが付きにくい・強度を増す・着色や絵付けがしやすくなるなどがあります。独特の光沢も魅力のひとつです。
問題は、この釉薬に鉛を使っていることがあるのです。現在の国産の信頼できるメーカーであれば、基準値を上回ることはありませんし、無鉛の釉薬を使う窯が増えています。
さらに、釉薬に含まれた鉛は高温で焼くことで素地に閉じ込められ、表面は硬いガラス質でがっちり固められて外に漏れ出す心配はなくなります。
上絵付と下絵付けの違いは、この釉薬を施す(施釉)前にするのか施釉の後にするのかの違いです。結論から言うと、下絵付けで描かれたものは大丈夫ですが、上絵付けが問題になります。
上絵付けを施したあとの焼成はそれほど高温ではないからです。
国内の窯で製造された陶磁器は、窯から出荷する際に鉛毒検査があり、もし問題があれば信用問題に関わるので鉛やカドミウムに関しては高い意識を持っています。
ただ、愛猫の食器に使うことを考えれば目で楽しむだけのことでゼロではないリスクを負う必要はありませんよね。柄のある食器の場合、上絵付けされたものは避けたほうが無難です。
見分け方は、触ってみれば分かります。絵柄の部分に凹凸があればそうです。
あまりに安価な食器は疑ってみるべし!
あまりに安価な商品は釉薬のあとの本焼成が十分に高温になっていない可能性があります。
2007年に中国製の土鍋から基準値を大きく上回る鉛が溶出し、輸入した会社が自主回収するということがありました。施釉した後の焼成が十分ではなかったことが原因とみられています。
本来であれば、絵付けのされていない無地の陶磁器の場合、施釉後の焼成は1000℃を超えているはずです。磁器は1300℃以上です。
こうした製造過程でのずさんな行為が、健康を損なう原因となることは悲しいです。低コスト化・大量生産の弊害ですね。
- 2009年7月31日以前製造販売の陶磁器は避ける
- なるべく無地のものを使う
- 絵柄のあるものは下絵付けのものにする(柄を触って凹凸のないもの)
猫の食器は毎日洗いましょう!ヌメヌメは雑菌のせい!
猫の食器は毎回洗いましょう。ドライフードしか盛っていないのにお皿がヌメヌメしていることはありませんか?このヌメリは猫の唾液成分が原因です。
放っておくと菌が増殖して、さらにそこにカリカリをよそったら・・・。できればごはん毎に、最低でも1日1回は洗いましょう。
猫の食器を洗うときは洗剤に気をつけて!
食器を洗う洗剤は、人間用と共有しても大丈夫です。でも!しっかりすすいでください。洗剤に合成界面活性剤が含まれている場合は、もし残留して食器に残っていたら猫の健康を害します。
猫の食器専用の洗剤も販売されていますが、この際だからいつもの洗剤もエコ商品に変えてみませんか?合成界面活性剤不使用の商品はけっこうあります。
ひと工夫された猫用食器が大人気!
最近の猫用のフードボールはライフステージや嗜好、ちょっと困ったことに対応する商品がたくさん販売されています。そんなひと工夫されたものをいくつか紹介します。
シニア猫には高さのあるタイプ
最近よく売れている猫用食器といえば、脚の付いたタイプです。猫の食事風景と言うと、地面に近い位置で頭を下げて食べていますね。
でもこの姿勢、猫にとって負担になると指摘されています。特に、シニアになると関節が弱ってくる子が多いので、姿勢をとること自体がしんどくなります。
若い子でも、吐き戻しが多い子っています。我が愛猫の中にもいました。食べてすぐ・・・へたしたら食べている最中?に食道から逆流してしまう子。
そういう子には、高さのある食器を使うことによって、吐き戻しを防ぐことが期待できます。
早食い防止!ガツガツ喰い猫の吐き戻し防止用
これはズバリ!ガツガツ一気に食べてしまう猫ちゃんに適した食器。上記で紹介した脚付きより防止効果は高いかも!?
当の猫がイライラしてしまうのでは?とも思いますが、猫って好奇心が強くて遊び好きですよね。食事にも遊びを入れるのはかえって良いらしいです。
猫の胃は小さいので、本来は少量で満足するはずなのです。一気にガッツガツ大量に食べること自体が自然に反しているのですって!
狩りの気分を再現?遊びながら獲物をゲット
猫の遊び心を満足しながらお腹を満たす・・・まるでおもちゃみたいなフードディスペンサーがあります。転がしているうちにカリカリが飛び出すタイプや、迷路のようなツリー型など工夫をこらした商品が出ています。
猫の狩猟本能を満足させる逸品です。