猫がトイレ以外でオシッコをしてしまう!何が原因?解決法はある?
ツイート初めて猫を飼う人はトイレについて心配することがあります。保護猫の詳細情報を見ると「トイレしつけ済み」と記述があることもありますね。
本来猫はトイレのしつけで苦労することはほとんどありません。というか、「しつけ」というほどのことも必要ないくらいです。
トイレに砂を入れて、ポイ・・・と猫を置いておけば自然にそこで排泄をするんだと認識します。実際はもう少し段階を踏むこともありますが、それほど簡単なのです。
ただ、猫と暮らしていてトイレ以外の場所にオシッコをされてしまったという経験を持つ人が少なくないですね。なぜ猫がトイレ以外の場所で排泄をしてしまうのか、どうしたら止めさせることができるのか考えてみましょう。
猫がトイレ以外でオシッコ!?そそうの3つの理由
猫のオシッコはなかなか強烈な匂いがします。私たちと暮らす現在の猫は、リビアヤマネコを祖先としていますが、水の少ない砂漠に暮らしていたため摂取水分を減らしても対応できるよう進化したといわれます。そのため、猫のオシッコは凝縮されて濃いのですね。
また、猫の尿中にはネコやその他のネコ科に見られるコーキシンというタンパク質が含まれています。普通は尿中にタンパク質が・・・なんて何かの病気では?と思いがちですが、いたって健康な猫にもそうなんですって!
で、このコーキシンが猫のオシッコ特有のくさい臭いの原因に重要な役割を果たしているのです。臭いの元となっているのはフェリニンというアミノ酸の一種です。このフェリニンを生成する触媒となっているのがコーキシンです。
まぁ、そんな話は今はどうでも良いのですが、結局のところ猫と暮らすにあたって「オシッコの臭い」は飼い主にとってやっかいなものであることに変わりはありません。
トイレできちんと排尿をしていても、放置していれば悪臭を放つようになります。先に説明したフェリニンだけでなく、アンモニア臭もきつくなります。
それが、トイレ以外の場所にされたらたまったものではありません。でも、そうした「そそう」には猫なりの理由があるはずです。
元来外で暮らす猫はどこでしたって問題ないはずです。猫は猫なりの行動理由によって生理現象を処理しているだけですから。
でも・・・そうは言っていられないのが飼い猫の運命!人間と双方快適に暮らすためには、人間が知恵を絞るしかないのです。
さて、本題です。猫がトイレ以外に排尿をしてしまう原因ですが、大きく3つに分かれます。
- 病気など身体的な疾患
- 尿スプレー(マーキング)
- それ以外の理由
ひとつずつ見ていきましょう。
猫がトイレ以外のそそうをする時、病気のサインかも!?
まず、何かしらの疾患が原因でトイレ以外でオシッコをしてしまう場合があることを頭に入れておきましょう。猫は体質的に泌尿器の疾患にかかりやすい動物です。
また、糖尿病や甲状腺機能亢進症など内分泌系の病気や、メス猫であれば子宮蓄膿症でも水を多量に飲むようになるため、トイレの回数が増え、間に合わなくてそそうをしてしまうことが考えられます。
さらに、シニアになると関節炎などで足が痛んでトイレに行けないということも起こり得ます。そそうの原因が病気から来ていないかを動物病院で調べてもらいましょう。
排尿行為ではない?尿スプレー(マーキング)の可能性は?
次に大切なのは、排泄行為としてのオシッコのそそうなのか、マーキング行動としての尿スプレーであるかを見極めましょう。
猫は自分のテリトリーににおいをつける習性があります。いわゆるマーキングです。肛門周辺の分泌腺や頬の周囲、尻尾の付け根の背面にある皮脂腺、手足の裏の汗腺からフェロモンを分泌します。
家具や飼い主などに顔や尻尾ををスリスリするのも、爪とぎもマーキング行動ですが、何と言っても強烈なのが尿スプレーです。特に未去勢のオス猫の臭いはたまったものではありません。
通常猫はお尻を落として排尿しますが、尿スプレーは立ったまま真横にシャッと飛び散らせます。まさにスプレーです。そのほかの特徴としては、量は通常の尿より少なく、した後は砂かけのしぐさはしません。
オス猫の場合、床から1mほどの高さまでスプレーする猫もいるようですが、通常は30-40cmくらいの高さに吹きかけてあることが多いです。メス猫はそれより若干低い位置です。
ただ、中には真下に尿スプレーをする子もいるので、そういう場合はそそうなのかマーキングなのか慎重に見極めることが必要です。
病気が原因でもなく尿スプレーでもない場合、考えられる理由は大別して以下の3つです。
- トイレを学習していない(間違った学習をしている)
- トイレが気に入らない
- ストレスなど精神的な理由
そもそも猫がトイレってわかってないかも!
現在は猫トイレといえば市販のものを使うことが一般的ですね。箱に砂を敷き詰める・・・これは猫の排尿の特性を考えて普及したものです。たいていの猫は、そこでしてくれるようになります。
ただ、違う場所で排泄をすることを学んでいた、または後から学んでしまうこともあります。家族に迎えた猫が、保護団体やボランティアからの里子だった場合はトイレのしつけがされていることがほとんどですが、外から保護した子の場合は、まずケージなど行動が制限される場所でトイレをしっかり認識させる必要があります。
別の場所をトイレだと新たにインプットされてしまった
私が昔やってしまった失敗は、うっかり猫を寝室に数時間閉じ込めてしまいました。まだ生後4ヶ月くらいの子猫でしたが、それまではトイレできちんと排泄していました。
ところが、気がついて部屋に行って見ると、しっかりベッドの布団の上にオシッコをされていました。その部屋にはトイレが置いていなかったので、これは飼い主のミスです。
その後、何度か布団にされてしまいました。布団がトイレと上書きされてしまったのです。
猫だって気に入らないトイレでは排泄しない
猫は元来きれい好きです。それに、人間よりずっと嗅覚が優れています。汚れたトイレでは用を足したいと思わないのは当然といえば当然です。
清潔で落ち着いて用を足せるトイレ環境を整えてあげることは飼い主の役割のひとつです。具体的に見ていきましょう。
大きさは十分?猫にとって理想的な大きさのトイレって?
トイレが小さすぎると使いたがらないことが多いし、体格の大きな子の場合ひっくり返してしまうかも!保護猫が来たばかりの時はしばらくケージで過ごさせますが、あまり大きなトイレはケージの中に入れられません。
成猫で体重もある子の場合、ひっくり返されることがしばしば・・・。トイレの大きさは、最低でも猫が中で1回転できるくらいは必要です。
排泄物がいつまでも放置されていない?トイレは清潔?
猫が排泄をするときの行動パターンは、
- トイレに入って砂のにおいを嗅ぐ
- 砂をかく
- 排泄する
- 砂をかける
ですね。人間でも汚れているトイレは使いたくありません。きれい好き、嗅覚の優れている猫であれば・・・想像がつきます。その都度処理することが理想です。最低でも1日2回は排泄物を取り除きましょう。
衛生面でも、ニオイがトイレに染み付かないためにも月に一度は丸洗いがおすすめです。砂も全部取り替えましょう。その際、今まで使っていた砂を新しい砂に少量混ぜると良いです。保護猫を里子に出すときには、ニオイの付いた砂を少し持って行きます。
トイレは落ち着ける場所に設置されている?
猫トイレの設置場所、落ち着かない場所だったりしませんか?回りに物がごちゃごちゃ置いてあったり、ドアの近くで人通りがある場所は嫌う傾向があります。
たいていの場合そうしている人が多いとは思いますが、なるべく壁に面した場所に。背後から気配がするような設置では、猫も落ち着きません。用を足しているときは無防備ですからねぇ。
また、猫は基本的に寝場所と食事場所の近くでは排泄行為をしません。なるべく離しましょう。
多頭飼いでトイレの数は足りてる?設置場所にも工夫を
多頭飼いの場合、トイレの個数は頭数プラス1以上と言われます。1匹飼いでもトイレは2つ置くのが理想です。なぜなら、本来猫はオシッコとウンチを別の場所でするからです。
多頭飼いの場合は、中には他の猫の排泄をじっと見ていたり邪魔する子もいます。そういう場合は、複数個を離れた場所に置くようにします。
猫の居住スペースが1階・2階など複数階ある場合は、それぞれの階にトイレを置くようにします。
猫砂もいろいろ!お気に入りを見つけましょう
猫砂もいろいろな種類があります。一般的に、細かく少しやわらかめの砂を好む子が多いです。ザックザクと掘りやすく砂かけがしやすいのかもしれませんね。
経験上、鉱物系の砂を好む猫が多いのですが、デメリットは重いこと!多頭飼いの場合はゴミの日が憂うつになるくらいずっしり・・・。
材木系(ヒノキなど)や他の材質の砂でも細かいものもありますので、飼い主が始末しやすく、なおかつ猫の気に入る砂をぜひ見つけてください。
猫がトイレ以外の場所でオシッコをしてしまった時はどうする?
猫がそそうをしてしまったときは、上記のようにトイレ環境を見直します。次に、同じ場所にしないようにすることが大切です。もうすでにその場所がトイレだと認識してしまった可能性が高いのでしっかり対策しましょう。
猫のオシッコのにおいを徹底的に消す!
衣類や猫用の敷物など洗濯機で洗えるものにオシッコされたときはちょっとしたポイントを抑えれば大丈夫です。
- オシッコを拭き取る
- 水でよくすすぐ
- アンモニアの消臭成分入りまたは酵素系の洗剤で洗う
- 天日干しする
洗濯機で洗う前に水ではなく熱湯消毒の方が効果が高いです。バケツに汚れた布物を入れて熱湯を注ぐ・・・2、3回くりかえします。傷みやすい衣類の場合は表記どおりの湯温で。それでも効果は得られます。
絨毯・ソファなど洗濯できない場所の尿臭をとる方法
- オシッコをしっかり拭き取る
- アンモニアの消臭成分入りまたは酵素系の洗剤でよく拭き取る
- 消毒用アルコールで拭き取る
- よく乾かす
尿臭のもとであるアンモニアはアルカリ性です。そこで酸性の成分で中和させるわけです。トイレの臭い消しなどにお酢が効くといわれるのもそのためです。
ただ、お酢はニオイがきついですね。そこで無臭のクエン酸がおすすめです。洗剤を使いたくない場所はクエン酸水溶液で拭き取ると良いです。クエン酸は薬局で購入できます。
水200ml
クエン酸小さじ1
※クエン酸水溶液は塩素系漂白剤と一緒に使わないようにしましょう。有毒ガスが発生してしまいます。
猫には分かるしつこい尿臭には専用の消臭剤も!
猫の嗅覚は人間より発達しているので、私たちには無臭に感じても猫には分かるかも?そういうときは、市販の消臭スプレーを使ってみてはいかがでしょう。酵素やバイオの力で消臭するタイプがたくさん販売されています。
消臭力と安全性を総合的に考えると、次亜塩素酸系消臭剤とバイオ系消臭剤がおすすめです。それぞれわたしがイチオシの商品を紹介しておきますね。
次亜塩素酸系消臭剤のイチオシ「アビィ除菌消臭水」
除菌消臭水としてよく知られている成分に次亜塩素酸ナトリウムがありますね。ハイターなどにも使われています。この主成分は次亜塩素酸イオンです。
今回紹介するアビィ除菌消臭水の主成分は次亜塩素酸!なんだかややこしいですね。簡単にいってしまうと、次亜塩素酸を主成分とする方が次亜塩素酸ナトリウムより除菌・消臭・安全性ともに優れているのです。
【次亜塩素酸ナトリウムとの違い】
ハイター等の除菌剤や消臭剤によく使われている原料に次亜塩素酸ナトリムというものがあります。
アビィ除菌消臭水の主成分は次亜塩素酸(HOCl)であり、次亜塩素酸ナトリウムの主成分は次亜塩素酸イオン(OCl-)と名称は非常に似ています。
しかし、次亜塩素酸は次亜塩素酸イオンの約80倍という高い除菌消臭力を持ち、さらに成分が分解しやすく残留しにくいという特長があります。
アビィ除菌消臭水は次亜塩素酸ナトリウムの欠点である、取扱いの危険性(塩素ガスの発生や人体に対して有害)や金属に対する強い腐食性、反応速度の遅さ等を解消した、強力な除菌消臭力と高い安全性を兼ね備えた新しいタイプの除菌消臭水です。
アビィ・ライフイノベーションから一部抜粋
バイオ系消臭剤のイチオシ「バイオミックス」
バイオ系の最大のメリットは高い安全性です。次亜塩素酸系の消臭剤に比べて効き目はゆっくりですが、消臭力もしっかりあります。
ただ、使い方にちょっとコツが必要。バイオの力で消臭とは、EM菌やバチルス菌などの微生物の力で除菌・消臭するタイプです。今回紹介するバイオミックスはバチルス菌を使った消臭剤です。
粉タイプと液体タイプがあります。お手軽なのは粉状のほうです。そのままトイレにまくだけでも消臭効果があり重宝します。スプレーとして広範囲に使う場合は液体タイプを持っていると便利です。液体は原液なので希釈して使います。
それでも猫がトイレ以外でオシッコをしてしまう時の対策
オシッコをされた場所をしっかり消臭しても、それでも繰り返してしまう場合は猫がその場所に物理的に行けないようにすることも有効です。
ベッドにしてしまう場合は寝室に入れない、カーペットの同じ場所にする場合はそこに家具など者を置いてしまうという方法です。
部屋の隅であればプラスチックの人工芝を置いておくと猫が嫌って寄らなくなります。いっそのことトイレをそこに移動するのも良いです。
しっかり消臭した後であれば、猫のベッドなどを置いてくつろぎ場所にしてしまうのも手です。基本的に猫は自分の寝床では排泄しません。
排尿行為じたいは猫の自然な行動です。でも、一緒に暮らす人間としてはあちこちでされたら困りますね。
ただ、猫のそそうって人間にとって不都合なだけですから、けっして叱らず、用意したトイレを快適に使ってもらう方法を提供することが何よりも大切だという気持ちを忘れないようにしましょうね。