猫社会にもイジメってある!?多頭飼いのストレスを解消するコツは?
ツイート猫を飼い始めたのは小さな子猫を拾ったことがきっかけでした。特にペットを飼いたいと思っていたわけではなくて、たまたま保護したので育てていった、というのが事実です。
猫は単独生活を好むと思っていたので、当初は多頭飼いはまったく考えていませんでした。数年後、2匹目の猫を迎え入れるまでは、そのほうが猫にとって幸せだと信じていたからです。
それが今ではうちの子プラス保護猫の世話までしています。回りにはいつも猫・猫・猫!猫は多頭飼いに向いているのか?イジメ・ストレスはないのか?今回は真剣に!考察してみました。
本当は1匹飼いが良いの?猫の社会性について考える
猫は単独で生活する動物なので、本来は多頭飼いに向いていない。1匹飼いのほうが猫にとって幸せだ・・・そういう意見は今も多く聞かれます。
でも、実際に2頭以上の多頭飼いをしている猫飼いさんはとても多いです。大きなトラブルも無く、楽しい猫ライフを送っていることがほとんどではないでしょうか。
そもそも、本当に猫は孤独を好むのか?実体験からも、必ずしもそうではないと断言できます。
もちろん、他の猫をまったく寄せ付けないパーソナルキャットと呼ばれる子もいますが、それは少数派、例外といえるでしょう。
猫もひとりっきりの留守番は淋しい?2匹目を迎える決心を
私が2匹目の猫を迎えようと決心したのは、紛れもなく先住のためでした。生後3ヶ月目で迎えた雄猫は、肝の据わった活発な子でした。人間に対しても物怖じすることなく、遊びに来た友人たちにも可愛がられていました。
当時私はスキーに凝っていて、シーズンともなると毎週のように定宿に板をかついで行ってました。愛猫はもう1才近くになっていたので、1泊の留守番は平気だと思っていたのです。
ところが、帰宅後隣の部屋の人に「お宅の猫ちゃん、ものすごく鳴いていたわよ」と聞かされました。実は、外泊時以外にも、平日も仕事に行っている日中に鳴き声が聞こえていたというのです。
このときはまだ、猫は単独を好むと信じていたので、獣医さんに相談に行きました。
『基本的に猫は1匹飼いでも大丈夫だけど、淋しがりやの子もいますよ。相性が良ければ2匹目を迎えてみるのも良いと思いますよ。』
獣医さんの後押しもあって、新入り猫を迎えることにしたのです。
猫団子は期待しちゃダメ!?折り合っていればOK
2頭飼いが10年以上続きました。3歳半離れていた雄と雌。相性もとても良く、暑い夏でもくっついて寝るほどの仲良しでした。
猫って仲良くなるんだ♪
なんてお気楽な猫飼いでした。ところが!先住が亡くなり猫たちも代替わりをしてからは、猫団子なんてまったく拝めなくなったのです。懐かしの猫団子・・・。
仲良しだった雄猫に先立たれてからは、残された雌は他の猫をまったく寄せ付けません。新しく迎えた子猫が寄って行けば追い払う、その後の猫たちも完全無視です。
ただ、みんな一目置いていたようで、彼女に対してちょっかい出したりする子はいませんでした。女王の貫禄ってやつでしょうか。
この頃から保護猫もいましたが、それぞれ勝手気ままな生活をしていました。毛繕いをしあうわけでもなく、かといって大ゲンカに発展することもありませんでした。
比較的若い猫(1才前後まで)が多かったのが良かったのかもしれません。
猫は基本的に無用な争いごとは避けます。武器はなんといっても鋭い牙と爪です。やりあうことになったら致命傷を負うことは本猫たちが一番知っているからかも?
なので、それほど仲の良くない子同士が家の中ですれ違うときは視線を合わせないようにします。それ以前に、なるべく合わないようにしているようです。
ニアミスでばったり出くわしたりすると、バツが悪そうにお互い毛繕いを始めたりして、見ていて可笑しくなります。猫社会の流儀なのでしょう。
保護猫を先住のいるお宅にお届けするときは、上手な慣れさせ方をお伝えするのはもちろん、一緒に寝たり毛繕いしあうような仲良しにならなくても上手くやっていきます、と伝えます。
猫にもイジメ!?無理な多頭飼いが猫の病気を引き起こすことも!
たいていは、多少気に入らない相手でも、猫同士折り合いをつけて上手く暮らしていきます。もしかしたら、人間より順応性があるのかもしれませんね。
ただ、どうしてもダメなときもあります。とんでもなく相性が悪くて流血騒ぎになるようなケンカをするときと、ストレスから体調を崩してしまうときです。
これは雄同士の縄張り争いだけのことではありません。気の強い女の子であれば、ものすごい形相でケンカを吹っかけていくときもあります。
個々の猫の性格が決め手になるのは当然ですが、比較的上手く行く組み合わせはあります。
同時期に2匹の猫を迎える場合
何と言っても親兄弟です。それまで一緒に過ごしていれば尚OKです。保護猫を迎えるとき、将来的に多頭飼いをと考えているのであれば、一緒に兄妹を迎えるのが一番です。
または、保護主の家で一緒に過ごして仲良くやっている猫同士です。里親に応募するときは、「2匹で」と伝えれば、相談に乗ってくれますよ。
先住がいて新しく猫を迎える場合
このときが一番気を使いますね。飼い主に対してはすごくフレンドリーでも、相手が猫となるとどうなるかは未知数です。特に長いこと1匹飼いで過ごした猫ほど、他の猫を受け入れない場合は多いです。
新入り猫は、先住より年下が無難です。それもなるべく子猫。留守番時間など、里親さんの環境も難しくて小さな子は無理でも、1歳くらいまでであれば猫社会はしっかり子供と認識するようです。これ、実体験。うちのボス猫がそうです。
異性同士が良いという意見もありますが、あながちそうとは限らないと思ってます。大人になった雌猫は、ゆったり過ごすことを好む子が多く、あんまり元気な男の子は受け入れないことも!
先住猫の性格もよく見極めて決めるようにしたいですね。
先住猫が成猫の場合新入りは?ベストな組み合わせ
- 先住が雄でも雌でも子猫が○
- 先住が雌の場合は新入りが成猫雌でも大体上手く行く
- 先住が雌の場合は新入りが成猫雄でもまあまあ上手く行く
避けたい組み合わせ
- 先住がシニア猫の場合子猫はやんちゃすぎる!ストレスの元!
- 大人の雄猫同士はケンカの可能性が大!相性の見極めが大事!
先住猫と新入り猫を上手く行かせるコツは?初顔合わせからの注意点
新しく猫を迎えるときはドキドキです。怖がらないかな?甘えん坊かな?抱っこは好きかな?期待と不安でいっぱいです。
初めて飼うときはもちろん、2匹目でも3匹目でも同じですね。でも、多頭飼いになったときは、さらに先住猫との相性という不安要素が加わります。
これから新しく家族が増えるのよ。仲良くしてね・・・なんて言っても猫には通じません。ただでさえテリトリー意識も警戒心も強い猫族、そう簡単に「はいどうぞ」と居心地の良い場所を提供するわけはありません。
上手に馴染ませるには、飼い主の努力と工夫も必要です。ちょっとした気遣いで、猫たちに無用なストレスを与えることが避けられることもあるのです。
いきなりのご対面は絶対ダメ!猫同士の気配から始めよう
新入り猫をいきなり先住の目の前に近づけるなんてもってのほかです。お互い敵対心を抱いてしまうリスクが大です!お友達ができたー、なんて喜ぶ猫はあまりいませんから。
まずはお互いの気配を感じさせるようにします。しばらくは新入り猫をキャリーに入れたままにして、先住に十分ニオイを嗅がせるようにします。
シャーと唸るようなら、いったん引き上げます。興味津々で友好的に見えても、いざ顔を突き合わせたら警戒することもあるので、やはり最初は新入り猫をケージに入れるか、ひと部屋使える部屋があれば隔離して様子を見ます。
猫同士が一緒にいる時間を少しずつ増やしましょう
もちろん、あんがいすんなり上手く行く場合も少なくありません。最初は先住ちゃんがシャーシャー言っていても、たいてい2週間もすれば仲良くなったり、住み分けができてくることがほとんどです。
ケージに新入り猫を入れている場合は、最初は数分間一緒の空間にフリーにしてみます。お互いに威嚇しあったり、どちらかがビクビク逃げ回るようなことがなければひとまず安心です。
徐々に一緒にいる時間を増やしていってみましょう。最初は飼い主さんがいるときだけにして、猫たちの様子を注意深く見守ってくださいね。
ただ、先住ちゃんが繊細な子の場合は、いきなりの環境の変化でストレスが溜まり、体調を崩してしまうこともあります。
お試し期間中に困ったこととして多い相談が、先住ちゃんまたは保護猫が食べなくなった・嘔吐や下痢など体調不良です。
このような場合は、トライアルを一旦中止して落ち着かせるようにしています。
猫同士があまり仲が良くなかったら?飼い主が工夫しましょう
どうしても相性の悪い子達はいます。わが家の2匹がそうです。先住として始めにいた子は猫社会に馴染めないようで、一緒に遊んだりもしません。シニアになってさらに拍車がかかった感じです。
ただ、雄同士ではないので流血騒ぎになるような事態は起こっていないのが幸いです。
猫が安心できる寝床は必須!
どんなに仲良しの猫同士でも、自分だけの安心できる場所、パーソナルスペースは必要です。ただ、これも「ここはアナタの場所ね」というのが通じないのが猫といういきもの!
猫は寝床を複数持ちたいものらしく、お気に入りの寝床がちょこちょこ変わるのは猫と暮らしている人であればよくご存知ですね。
複数の猫と暮らしていると、ローテーションしてる?と思うことがよくあります。窓辺に置いた猫ベッドで気持ち良さそうに寝ているなぁ・・・と思っていたら数分後には別の子が。
こんなことはしょっちゅうです。
でも、寝床を取り合ってケンカした形跡もないし・・・。たまに小競り合いをしていることはありますが、どうやら本気ではなさそうです。
飼い主ができることは、猫が好きそうな場所を複数用意してあげること。高い場所を好む子も多いので、できればチェストやタンスの上を寝床にしてあげるのも良いと思います。
わが家はリビングボードの上を寝床にしている子がいるので、キャットタワーを横においてステップとして活用しています。
相性が最悪の場合は居住空間を分ける必要も
それでもどうしても相性が悪い子同士っています。その場合は、猫同士のテリトリーを分けるしか方法はありません。怪我をするほどの大喧嘩をしたり、体調を崩したり精神的に参っている場合などは必要な措置です。
人間から見ると『イジメ!?』と思うような場面もあります。特定の子だけにマウンティングする猫がいます。
やっている方は本気ではないので、流血することはありませんでしたが、された方はたまったものではないですよね。ウーウー唸ってものすごく怒っていました。
やられた方の猫は、猫社会が苦手でどんな子でもダメ!新入りには自分から威嚇しに行くし、相手が好意的な態度でも一切受け付けませんでした。
そんなことが関係していたのか、その子を執拗に苛める雄猫がいたのです。
猫の多頭飼いまとめ
猫は飼い主を選べないのと同じように、同居する猫も選べません。複数の猫と暮らすことは、言ってしまえば人間側の都合です。
先住猫も新入り猫も家族として迎えたからには責任があります。できるだけ猫たちにストレスがかからないように気を配ることが大切です。
最悪な事態は二つ。怪我をするような本気の喧嘩と体調を崩すことです。
初めて猫同士を会わせるときから十分に注意を払って、スムーズに共棲できるようにしてあげたいですね。