冬に猫は水分不足で便秘になる!その理由と飲ませ方
ツイート猫はもともと便秘になりやすい生き物ですが、特に冬になると便秘気味になる猫もいます。毎日出ていたのに2~3日に1回になった、ウンチがコロコロ固そう、出たばかりなのに表面が乾燥しているなど、排便の様子が変わっていませんか?
フードを変えた・病気治療で薬を服用しているなど他に思い当たることがないのに、寒くなって便秘の兆候が見られたら、水分不足が原因かもしれません。
毎日出ているから安心ではない!猫の便秘予防はウンチチェックから!
私たち人間も便秘の人って多いですよね。「もう3日も出てないのー」なんて職場の女子更衣室ではよく耳にするフレーズ。
飼い猫は基本的に排尿・排便は飼い主が用意したトイレでするので、出ているか出ていないかは分かると思います。ただ、出ていればOK!ではないので注意が必要なのです。
猫の健康なウンチの形状とは?
ホントにけっこう誤解している人が多いのが猫の正常なウンチ。ヒトの指の第一関節くらいのものがコロンコロンといくつか出るのが普通だと思っている人が多いです。
猫の健康なウンチ、正解は
スルッと出てくる1本ウンチ
です。
うちの猫トイレは私の作業部屋に設置してあるので、いたしている場面を見る機会が多いです。良いウンチのときは、トイレに入ったな、と思ったらむ~んといきんで出して終了!です。滞在時間はとても短いです。最後のひと絞りでちっちゃいブツを出すことも多いですけど。
猫の健康なウンチの固さと色は?
スルッと一本ウンチであれば、固すぎるということはあまりないですけど、出たばかりなのに箸でつまんでも形が崩れないくらいカチカチであれば水分不足です。干からびた状態であったら確実です。
猫砂によっては時間が経つと水分を吸収してウンチも固くなるので、なるべくいたしたばかりの時にチェックしてみてください。
色は食べているフードによっても変わってきますが、通常は茶色からこげ茶色。フードを変えていないのにウンチの色が変わった時も何かしら病気のサインかも。
色がドス黒かったり赤黒い場合は、腸内で炎症が起きて出血している可能性があります。
なんで猫は水をあまり飲まない?冬が特に危険なわけとは?
猫に水を飲んでもらうのはすごく大変です。私たちからみれば、「喉が渇いたら飲むだろう」と思いがちですが、猫は喉の渇きに鈍感!
猫は水分摂取量が少なくても大丈夫なのか?
今では猫好きの間ではよく知られたことですが、現在私たちと暮らす猫の祖先は砂漠に棲むリビアヤマネコです。その環境を想像してみてください。
飲み水が常にあるわけではないはずです。彼らの摂取する水分のほとんどは、餌として食べたネズミなどでまかなってきました。
どのくらいの摂取量だったかというと、標準的なネコは10g程度のネズミを捕って食べるとすると1日に10匹くらいは必要です。そのうちの80%が水分だとして、計80ccにしかなりません。
それでもネコは生きていけるように進化したわけです。その証拠が凝縮された尿ですが、腎臓にすごく負担がかかるのは避けられません。
現在15歳以上の猫の約半数が慢性腎臓病と診断されるともいいます。
さらに猫は体の構造を進化させただけでなく、喉の渇きに鈍いという進化(?)まで体得してしまったようです。確かに、喉が渇いているのに水がない・・・なんて環境は地獄です。
とにかく、猫の自由意志に任せていては十分は水分摂取は望めないことを覚えておきましょう。
猫はとにかく面倒くさがり屋なのだ
喉の渇きを感じにくいことに加えて、猫って面倒くさがりやだと感じませんか?というより「よく寝てる」というイメージですね。
これも、猫の習性に大きく関わっています。
猫は単独で狩りをします。自分の食いぶちは自分で稼ぐというわけですね。先ほどの例に挙げたように、一度にハントするのが10g程度のネズミであれば、必要な数は10匹です。
1日10回狩りを成功させる必要があるわけです。猫は優秀なハンターと言いますが、実はそれほど成功率は高くないのだとか。
そもそも猫は瞬発力はあっても長距離を長く走るようにはできていません。獲物を見つける→狙う→飛び掛る・・・逃げられる確率のほうが高かったのでは?
そのため、猫は基本的に食事や排泄・繁殖など以外の時間を体力温存のために体を休ませることに費やすようになっているのです。
そして、猫にとって睡眠=体を休ませることは、かなり優先順位の高いもののようです。ちょっと喉が渇いたな、と感じても、水飲み場まで遠かったらやめてしまう・・・。
猫にとって水を飲むという行為はかなり面倒らしいです。それについては、別記事で詳しく書いてありますのでご覧ください。
1年を通してみると、やはり猫は冬場に寝ていることが多いです。活動量が減るわけです。自然の摂理といえばその通りなのですが、結果として、飲水量がぐっと減ってしまいます。
猫に水を飲ませる工夫をしよう!
とにかく、猫に任せていてはダメ!特に、ドライフードがメインの場合は、いろいろ工夫をして積極的に水を飲ませるようにしましょう。
ふだん猫の水飲み場はどこですか?何箇所置いていますか?
ポイントは複数ヶ所置くことです。先に書いたように、猫って喉が渇いたという間隔が鈍いし面倒くさがり屋です。わざわざ遠くの水飲み場までいかなくてもいいか・・・ってなってしまいがちです。
戸建てであれば、それぞれの階に最低でも1ヶ所用意しましょう。
さらに、場所にも工夫を。ずばり通り道に1ヶ所置きます。食事場所からお気に入りの部屋まで、2階の廊下など、観察してれば猫がよく通る場所はわかりますよね。
そこに置くておくと「ついでに飲んどくか」・・・という猫は多いです。
水入れに使う器も一工夫することで飲んでくれるようになることもあります。フード用の食器は陶器・プラスチック・ステンレスなど、使用している素材にバラエティがあると思いますが、水入れって陶器が多い?
我が家は、最初はガラス製のものを使っていました。先代が亡くなってから、陶器に変えています。最近思うのが「猫によって好みは違うな」ってことです。
といってしまっては元も子もないので、一般的に好まれるウォーターボールの特長です。
- 大きめ(広口でひげがあたらない大きさ)
- 陶器を好む猫が多い
- ウォーターファウンテンなど動いている水
例外として、うちのお嬢さんはコップの水をすくって飲むのが好きです。案外多いみたいですね。器用に飲んでいるように見えますが、実際のところどれだけ飲めているのかは謎です。
食事をウェットフードに変える
確実なのが食事から水分を採らせてしまうこと。ドライフードからウェットは変えるだけです。
ただ、ドライフードを食べなくなってしまうと、長めの留守番が難しくなりますし、完全に切り替えるのは・・・という飼い主さんも多いと思います。
同レベルのドライフードに比べて食費がかさむのも事実ですし・・・。
ウォーターファウンテンは本当に猫が好む?
猫と暮らしてずいぶん長くなりますが、私・・・面倒くさがり屋なのです。だから、ウォーターファウンテンを使うことに躊躇していました。
フィルター交換がめんどうかも・・・放置したら不衛生だよね、という心配から。
まぁでも、現在の愛猫のひとつがオシッコ出にくくなったりと心配だったので、ダメもとでお安いのを買ってみました。
ピュアクリスタル・クリアフロー使ってみた
値段も安いのでお試し、というくらいの気持ちで購入。ネットでは安い店舗で2千円前後で販売されています。送料入れると近所のペットショップの店頭価格と変わらないから、今回はすぐ試したかったのでイオンペットの実店舗で購入しました。
セットはいたって簡単。モーター音も気になりません。
とりあえず置いてみたら、オレ様のグレー白がさっそく登場。
本体確認
これはなんだ?
納得したのかしばらくしたら飲み始めました。
毒味をさせたのでお嬢さんが来た。
躊躇うことなくゴキュゴキュ飲んでました。
10歳のオバちゃん猫も今までになくゴクゴク。この子がコップの水を手ですくって飲む猫です。みんなちゃんと飲むんだねー、なんて思っていたのですが、唯一保護猫の1歳のボクがまったく使いません。
ウォーターファウンテンに近寄りもしないで、相変わらずキッチンにある白い陶器の水入れから飲んでます。
使い始めて2ヶ月経ちますが、見向きもしなかったボクは今も使わず、他の3匹はほぼこれだけになりました。キッチンに置いてある水入れからは飲まなくなったので、多数決でみればやっぱり流れている水は猫が好むのかな、と思ってます。
フィルターは1日1回本体を軽く洗う時にササッと水ですすぐて程度、取れるゴミは取り除きます。交換は3週間~1ヶ月程度。使用する頭数にもよります。
フィルターは5枚入りが1,200円くらいで売っているので自動給水器の中ではお安く済みます。電気代は、今回購入したクリアフローは1ヶ月約43円。容量の大きいのでも100円かかりません。
本体掃除とフィルター交換がクリアできれば、猫が好んで飲んでくれて衛生面でも勝っているのでおすすめです。心配な人は、まずは安いこちらで試してみるとよいですね。私のように・・・。
最後に
猫に水を飲んでもらうのは本当にひと苦労です。喉の渇きに鈍感ということは、彼らの自由意志に任せていたら全然足りないわけです。
特に食事のほとんどがドライフードの場合は、猫に水を飲んでもらうように飼い主が工夫する必要があります。上記で紹介したように、水飲み場を複数作る・好みのウェーターボールを探すなどの他、猫の嗜好に合わせた工夫をしてくださいね。
お風呂場が好きな子だったら、洗面気器に水をはっておくのも良い方法です。水はもちろん新鮮なものを用意してください。
シニアになると、冷たい水を好まなくなる子もいます。うちにもそういう子がいて、私がキッチンに立つと足元でにゃーんと白湯をおねだりしていました。
猫の泌尿器疾患や腎臓病は、水分不足が原因となったり悪化させる要因になります。若いうちからしっかり水分を摂ることは、それらの病気の予防になります。
水分不足が原因で便秘になることもあります。便秘自体も辛い症状ですし、重症化すると結腸が伸びて排便に重大な支障をきたす巨大結腸症という病気になってしまいます。
冬は便秘になりやすい季節です。慢性化しないよう、毎日の排便の様子と、水分をしっかり採っているかをしっかりチェックしてくださいね。