無添加キャットフードは安心できる?ペットフードの添加物の本当の話
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無添加キャットフードと聞くと、なんだか体に良さそうな気がします。キャットフードに限らず、人間の食品を選ぶときも、「添加物の少ないもの」を基準にしていることも多いですしね。
そもそも、食品やペットフードに加えられる添加物とは何でしょう?また、それぞれの添加物はどんな目的を持って加えられているのでしょう?
キャットフードに加えられる添加物の目的は?
添加物はたくさんあり、その使用目的もいくつかあります。おおまかにはこんなかんじです。
- 品質を維持する(腐敗や油脂類の酸化を防ぐ)
- フードの栄養成分を補う(ビタミン、ミネラルなど)
- 味と香りを良くする
- フードを形成する
- 見た目を良くする(発色剤、着色料)
添加物の規制とペットフード
私たちが口にする食品に使われている食品添加物は、食品衛生法によって使用できるものが決められています。
リストにあるものしか使用できないわけです。
ところが、ペットフードに関しては、いくつかの添加物に対して基準が設定されているだけです。
基準が設定されていない添加物に関しては、食品添加物や飼料添加物などの基準を元に、各メーカーが安全性を確認して使用している状態です。
やはりペットフードに関してはまだまだ発展途上というかんじですね。
ペットフードに使われる主な添加物
さて、実際にペットフードによく使われている添加物を紹介します。
ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、BHA、BHT、エトキシキン
ソルビン酸
クエン酸、リンゴ酸
ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール
グリセリン脂肪酸エステル
デンプン、カラギナン、グアーガム
亜硝酸ナトリウム
ミョウバン
カラメル色素、酸化鉄、二酸化チタン、赤色○号・黄色○号などタール色素
ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類
ペットフードの添加物表示の義務
現在日本で販売されているキャットフードについては、ペットフード安全法に則っていくつかの決まりがあります。
そのひとつが「表示」義務です。
キャットフードのパッケージを見ると、細かい字でなにやらたくさん書いてありますね。ペットフード安全法では、以下の5項目について表示することが義務付けられています。
- 名称
- 賞味期限
- 原材料
- 原産国名
- 事業者名及び住所
そして、原材料欄には、原則として添加物を含め、使用した全ての原材料を記載することになっています。その際、甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤又は発色剤として使用されるものについては、用途名も併記することが決められています。
↓こちらはスーパーなどでもよく売られているお安めのキャットフードの原材料です。
無添加キャットフード表示の本当の意味
先に紹介したように、キャットフードなどペットフードに使われる添加物の目的に「ある目的」で作られるものに関しては、どうしても必要になってくるものがあります。
- 総合栄養食のための栄養添加物
- 形作るための形成添加物
さらに、どんなに体に良くても肝心の猫が食べてくれなければ意味がないので、風味をつけるための添加物も多くのメーカーが使っています。
ドライフードに無添加はない
現在の飼い主さんの多くはドライフードを与えていますね。手軽さとコストの面から見ても大きな魅力です。我が家もメインフードはドライフードです。
総合栄養食という点からもはずせません。ウェットフードの総合栄養食もありますが、全食ウェットフードにするにはお値段が・・・。
結論から言うと、ドライフードで無添加なものはないはずです。フードを作るときの形を作る・総合栄養食として不足するビタミン類を補う・品質を保持するための酸化防止剤等は必要なものです。
なにが無添加?キャットフード選びの基準を考える
基準をクリアしたドライフードを作るには、添加物は必要であるから、そもそも無添加と表記しているドライフードは嘘、ということになりますが、
要するに猫の健康に害がある添加物を使っていない
という意味にとらえたほうが賢明です。
キャットフードに着色料は必要?
何のために使っているのかまったく不思議なのが着色料です。特にタール色素を使用していること。赤色○号とかです。
猫は見た目、特に色で美味しそう~なんて思わないはず。飼い主向けに使っているのだと思われますが、必要ないです。
以前、保護猫さんが我が家に来て最初の便の色が赤っぽくて焦ったことがあります。餌やりさんがあげていたフードの色でした。
胃腸を素通りして出てくれるのならいいですけど、体内に残って蓄積されると思うとぞっとします。
酸化防止剤のBHA・BHTの危険性は?
酸化防止剤については見解が分かれるところです。BHAについては発がん性が取り上げられますが、最近の研究によって、前胃のない猫などには発がん性は認められないという結果が報告されています。
BHAを使っているペットフードで有名なのがロイヤルカナンです。BHAについて公式ホームページに記載があるので一部引用します。
BHAの安全性は学術的に確認されており、日本ならびに諸外国において、人の食品に添加が認められています。ロイヤルカナン製品に使用しているBHAの量を一生食べ続けたとしても健康に影響を及ぼすことはありません。また、摂取したBHAは、犬や猫などの動物では2~4日以内に体外に排出されますので蓄積されることはありません。
食品添加物として使用が認められている成分の使用基準は、一日摂取許容量(ADI)を超えない量で定められています。一日摂取許容量とは、人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとして、健康に影響をおぼさないとされる体重1キロあたり、一日あたりの摂取量のことです。
それでも、なるべくなら合成添加物を避けたいという意見も多いと思います。現在は酸化防止剤を天然のものを使っているメーカーも多いので、飼い主さんの判断でいろいろ選べます。
完全無添加をめざすなら猫にも手作りごはん
見出しの通りの内容ですが、完全無添加を目指すなら手作りごはんです。手作り食とは、人が食べるものと同程度の質の材料を用いて猫に作られる食事のことです。
手作り猫ごはんのメリットとデメリット
手作りごはんの最大のメリットは、食材の明確さです。これは、ライフステージや健康状態によって調整しやすいことや嗜好性も把握しやすいです。
特定の食物アレルギーの原因を探ることもできます。
デメリットとしては、栄養の過不足・エネルギー量の過不足が起こりやすいこと。良かれと思って始めた手作りごはんが、かえって愛猫の健康を害してしまう危険性もあります。
猫に手作りのごはんを継続的に与えようと思ったら、栄養学や生理学などの基礎知識や相談できる専門家が必要になってきます。
市販の手作り食のメリットとデメリット
最近は手作り食を販売しているメーカーも出てきました。メリットは嗜好性が高いことがあげられます。以前、私も愛猫に手作りごはんを作っていたことがありますが、なかなか食べてくれずに苦労したことがあります。
ただ、販売会社(製造会社)によって栄養基準が異なっているので、栄養バランスが合わないこともあります。
愛猫にときどき手作り食のすすめ
現在我が家の猫たちは、ドライフードとウェットフードを7:3くらいで与えてます。本当はもう少しウェットを増やしたいのですが、ドライの方が好きみたいです。
そしてときどき手作り食。
キャットフード以外のものを食べさせると良くないって聞きますよね?でも、その意見にはちょっと疑問です。
人間の食べ物をあげちゃダメ・・・と言うこともありますが、手作りごはんって人が食べているもののおすそ分けではありません。
鶏のムネ肉やササミをゆでたものを細かく刻んで少しの野菜とスープをかけて・・・ときどきはこんな手作りごはんも良いと思いますよ。
この場合も、猫が食べてはダメな食材リストはしっかりチェックしましょう。また、食べなれない食材で消化不良を起こすことも考えられますので、手作り食を与えるときは健康チェックをいつもより念入りに、ね。
