キャットフードローテーションの失敗しない実践法

猫にとってフードローテーションは必要?実行するメリットとデメリット

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私のまわりの猫飼いさんにも、最近はキャットフードをローテーションしている人が増えています。なぜそうするのか?フードローテーションは猫にとって本当に必要なのか?気になりますよね。

 

ネット上では、フードローテーションは必ずしも必要ではないという意見も目立ちます。確かに、総合栄養食として販売されているフードは、それと水だけで猫の健康を維持できることが前提です。

 

もちろん、キャットフードの質が重要なことは言うまでもありません。

 

それでも、フードローテーションを推奨するオーナーさんは多いですし、私もそのひとりです。この記事では、キャットフードをローテーションするメリットとデメリット、実践する場合のポイントを紹介します。

 

 

 

キャットフードローテーションのデメリットとメリット

 

この記事を読んでいただいている方は、少なくとも今愛猫が食べているキャットフードについて疑問を感じていると思います。

 

ずっと同じものを食べさせて健康に良いのかな?飽きないかな?

 

その答えはずばり、その子による・・・なのです。冒頭に、必ずしもフードローテーションは必要なものではないと書きました。現に、私のまわりでもネットの声でもずっと同じフードを食べて、寿命を全うした猫はたくさんいます。

 

最大のデメリット!フードを切り替えることによる猫への負担

 

キャットフードのローテーションの最大のデメリットは、猫の消化器官に負担をかけることです。このサイトは、猫の腸活を目指しているので、矛盾するように感じますね。

 

ただ、そのデメリットを上回るメリットを感じるから、我が家ではフードをローテーションしています。

 

猫にとってフードローテーションは必要?実行するメリットとデメリット

そのほかにデメリットとして考えられることは、猫の嗜好に合わなくて購入したフードが無駄になることもあります。これは人間側の問題ですしね。

 

猫が偏食になる可能性を指摘する意見もありますが、過去に「これしか食べない!」という経験はないです。どうしても食べなかったキャットフードというのは多々ありましたけど。

 

猫はずっと同じ食事で飽きないか?という疑問とつながりますが、猫は学習します。生き物ですからいつでも食欲が変わらずあるとは限りません。なんとなく食べたくないときだってあります。

 

そんな猫の様子を見て、フードに飽きちゃったかな?・・・って他のものを出すと味をしめちゃうわけです。

 

猫は基本的には慎重な動物で、初めてのものには警戒して口をつけないはずです。ところが、警戒心を持つ必要のない環境にいる猫は目新しいものに興味を示します。

 

これを繰り返していると、選り好みをする猫さんが出来上がってしまいます。

 

 

キャットフードローテーションで得られるメリット

 

私が猫を飼い始めたのはもうずいぶん昔です。まだインターネットなんて普及していなくて、キャットフードはスーパーやドラッグストアのペットコーナーが一般的でした。

 

飼い始めたきっかけは保護したから。弱っていた子猫で、すぐに病院に連れて行きました。その獣医さんは、かなり厳しい人でフードに関してもきっぱり安いものはダメ!と言われました。

 

猫飼い初心者だった私は、そんなもんかーと素直に従い、ヒルズをずっと使ってきました。途中アイムス・ロイヤルカナンもラインナップに加えて、以来ずっとこれらでした。

 

ごく自然に(深い考えもなく?)キャットフードをローテーションしてきたわけですが、正直なところ動機は飽きちゃうんじゃないかな?、って単純なものでした。

 

猫にとってフードローテーションは必要?実行するメリットとデメリット

 

そんな超初心者っぷりで猫と暮らしてきた私ですが、30年近く経ちインターネットの普及によって情報を入手しやすくなってからは、それまで知らなかったっことに驚きつつも、賢い飼い主になろうと努力するように!

 

結論として、キャットフードのローテーションを心がけているのですが、個人的に思うことも含めてメリットは以下です。

  • 原産国やメーカーを分散することでリスクを最小限に抑える
  • 切替なければならないときに備えて慣れさせておく
  • アレルギー予防(エビデンスはないです。あくまで愛猫に限って)
  • 猫にも食事でワクワクして欲しい(マンネリを防ぐ)

 

ひとつずつ説明しますね。

 

フードローテーションの一番の理由はリスク回避

 

どんな商品でもリコールは起こり得ます。人が口にする加工食品でもありますし、家電も然り。最近、私も車の部品のリコールでディーラーに行ってきたばかりです。

 

当然ペット用品もリコールや自主回収は頻繁に起こっています。その中にはフードも含まれますが、現実問題としてあまり耳にしませんよね。

 

それは、広く告知されていないからにほかなりません。リコールや自主回収があった場合、購入した店舗の店頭やホームページでは掲示してあっても、こちらから確認に行かなくちゃ知る術がないのが現状です。

 

ただ、誤解のないように言いますが、キャットフードに関しては健康被害が起こるような大事なリコールはかなり少ないです。

 

参考
消費者庁リコール情報サイト
クロネコヤマトリコール.JP

 

 

ペットフードのリコールで有名なのが2007年の中国産の原材料からメラミンが発見された事件です。犬猫の健康被害は大きく、命を落とした子もいます。

 

なによりリコールの規模が大きいのが問題でした。その理由は、ペット業界の真実ってかんじですが、最初にリコールを行ったメニュー・フーズ社は、他のペットフードメーカーから委託を受けて製品を作っていました。

 

その委託元が世界的にも有名な大手メーカーが名を連ねていたのです。日本でも有名なロイヤルカナン・アイムス・ヒルズ・ニュートロ・ユーカヌバ・ブルーバッファロー・ナチュラルバランスなど90社200ブランドにまで及ぶまさに大量リコール事件でした。

 

この事件は、そもそも原材料の偽装といった悪質なもので、避けるのは難しい一面もありますが、こういった業界事情があることを知っておくことは大事です。

 

キャットフードローテーションをすることで、メーカーはもとより原産国を分散させることはリスク回避につながると考えています。

 

急にキャットフードの切替が必要になるときとは?

 

特別深く考えないで、またはフードローテーションの必要性を感じなくて同じキャットフードを与えていることも多いです。それが悪いという意味ではないですよ。

 

でも、続けられなくなる理由もやってくる可能性はあります。

  1. ライフステージの変化による切替が必要になるとき(成猫用からシニア用など)
  2. 処方食を食べて欲しいとき(病気になったとき)
  3. 食べていたフードが製造中止
  4. 災害時など他のフードを食べざるを得なくなるとき
  5. 特定の原材料にアレルギー反応が疑われるとき

実際に我が愛猫も上記の理由のいくつかで切替が必要になったことがあります。元から2~3種類のフードを食べていたため、あんがいスムーズに切り替えることができました。

 

猫の食物アレルギーは増えているのか?

 

猫にとってフードローテーションは必要?実行するメリットとデメリット

 

最近はアレルギーの猫が増えているといわれます。アレルギー症状は人間同じで皮膚炎、涙目、くしゃみ鼻水ってところでしょうか。

 

我が愛猫の1匹も、万年涙目だしほぼ毎日鼻水飛ばしながらくしゃみをしています。

猫にとってフードローテーションは必要?実行するメリットとデメリット

ただ、猫のアレルギーの原因はノミやダニ、花粉、細菌や寄生虫、そしてアトピー(原因が特定されない)など多岐にわたっています。

 

その中で、食物アレルギーと診断されるのは1~6%程度。かなり低いのです。

 

猫の食物アレルギーとなるアレルゲンで多いのはたんぱく質です。牛肉・鶏肉・ラム肉・魚肉がなりやすく、意外にも米はアレルゲンにはなりにくいそうです。まったくならないというわけではありませんけど。

 

アレルゲンの特定には、除去食・負荷食試験を行いながら3ヶ月から半年くらいかけて行います。その際は獣医さんと相談の上進めていく必要があります。

 

猫にとってフードローテーションは必要?実行するメリットとデメリット

特定の食材を食べ続けることによってアレルギーが発症する可能性があるという獣医さんもいます。

 

本当のところ、猫の食物アレルギーに関してはよくわかっていることが少ないのが現状なのです。

 

予防になることを期待しつつ、もし発症した場合にもそれまでのフードからの切替がスムーズにいくことを考えてフードローテーションを取り入れています。

 

猫だって味覚はある!フードの好き嫌いは味で判断!

 

猫はニオイで好き嫌いを決めている、なんていうように誤解されている猫の味覚について。確かに味覚を感じる味蕾(みらい)の数は、人間が約7,000に対して猫は500程度です。犬は1,700だそうです。

 

でも、猫にも酸味・苦味・塩辛味・甘味を感じる味蕾があります。よく猫は甘味を感じないと言われていますが、構造上は存在してます。

 

ただ、人間と違うのはショ糖・ぶどう糖・果糖・乳糖・麦芽糖などの糖分は感じにくいのは確かです。また、これらは猫が大量に摂取すると嘔吐するなど健康に害があるのでご法度です。

 

さて、猫は初めてのフードを出すと執拗ににおいを嗅ぎます。これは食べ物がどうかを判断しているからです。猫が口を付けたら、それを食べ物と判断したということですね。

 

 

ところが、いざ食べ始めてもさほど食べないで残したりするときもあります。単にお腹が空いていなかった(好奇心?)ということも考えられますが、味が好みじゃなかった可能性もあります。

 

もちろん、大きさや歯ごたえなど他の要因もありますが、猫にもそれぞれ好きな味がある・・・そのことを理解すると、愛猫にも食べることを楽しんで欲しいな、って思います。

 


  • 猫はにおいで食べ物がどうかを判断する

  • 好きな食べ物は好みの味で決まる

 

ローテーションする場合のキャットフードの選び方

 

当たり前のことですが、ローテーションに最適のキャットフードなんて存在しません。まずは、愛猫に合ったフードを選ぶことが重要です。

 

フード選びの基準となるのは、

  • 安全であること
  • 栄養バランスが良いこと
  • 猫が好んで食べること
  • 健康に過ごせること
  • 継続可能なコストであること

これらでしょうか。まずは1種類、メインとなるフードを選びましょう。メインフードが決まったら、なるべくそのフードの特長に近いものを選ぶ方が賢明です。

 

猫にとってフードローテーションは必要?実行するメリットとデメリット

 

フードの特長・・・性格とでも言いましょうか、例えば食物繊維が多めの毛玉予防フードの次に、グレインフリーでなおかつたんぱく質が多めのフードにすると、猫の消化器官に負担が大きすぎます。

 

季節など猫の体調を考えた上で毛玉サポートを取り入れることは問題ありません。あくまでも、ローテーションする場合のキャットフードは、似たタイプのものを選ぶ方が猫の負担が少ないということです。

 

ローテーションの頻度と期間

 

キャットフードを切り替えるときは、多かれ少なかれ猫の消化器官に負担かかかります。好みかどうか判断するにも、ある程度の期間は同じフードを食べさせることが必要です。

 

猫にとってフードローテーションは必要?実行するメリットとデメリット

嗜好性の問題であれば、新しく口にしたときは多少食べが悪くても、その後普通に食べてくれれば大丈夫です。 目安として1ヶ月程度そのフードを食べてくれれば、好きな味だと思って良いと思いますよ。

 

特にひもじい思いをした経験の無い飼い猫さんの場合、嫌いなフードは徹底して食べない子も多いですからねぇ。

 

だからと言って、1ヶ月ごとに新しいフードに変えるのはおすすめしません。最低でも3ヶ月くらいは同じフードを与えるようにしたいです。

 

フードローテーションのやり方

 

フードローテーションを実行しようと思っても、どんなフードを選んで良いか迷ってしまいますよね。正直に言うと、飼い主さんの考え方と、愛猫ちゃんの体質や嗜好によって選び方や切替のタイミングが違ってきます。

 

猫にとってフードローテーションは必要?実行するメリットとデメリット

 

キャットフード選びは試行錯誤の連続です。今回は、こんな風にやってみるのはいかが?という提案です。

 

季節によって切り替える

 

猫それぞれ個性がありますよね。同じように体質も異なります。暑さに弱い子は夏場に食欲が落ちたり、寒い冬になるとあんまり動かないであきらかに運動不足じゃない!?という子も。

 

そういう場合に、気候によってフードを変えるのもおすすめです。食欲の落ちる季節には高タンパク高脂肪で食欲をそそる嗜好性の高いフードにしてみる、冬場は消費エネルギーが少ないからカロリーをちょっと落とそうかな、などです。

 

メイン食材を変えてみる

 

原材料は多い順に記載されています。

 

チキン(肉)、チキンミール、粗挽き米、エンドウタンパク、玄米、アルファルファミール、鶏脂*、ポテトタンパク、ビートパルプ、亜麻仁、大豆油*、オーツ麦繊維、タンパク加水分解物、ユッカ抽出物、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(クエン酸、ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)

 

サーモン(すり身)、チキンミール、粗挽き米、エンドウタンパク、玄米、鶏脂*、ポテトタンパク、アルファルファミール、ビートパルプ、オートミール、大豆油*、タンパク加水分解物、ユッカ抽出物、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(クエン酸、ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)

 

上記はニュートロアダルトチキンとサーモンの原材料です。

 

ここからは食物アレルギーについての話です。近年、人間の食物アレルギーが急増しています。乳幼児はもとより、成人後に突然発症することも珍しくありません。

 

大人の場合、それまで平気だったのにある日突然アレルギーになったという人が多いです。アレルギーに関しては実はまだ解明されていない部分が多いです。

 

科学的に証明されたわけではありませんが、大人になってからの食物アレルギー発症は「許容量を超えた」という説がよく聞かれます

 

私も20代後半でいきなりスギ花粉症になったのですが、そのとき医師からコップの水が溢れた・・・って言われました・・・。

 

猫にもアレルギーが増えている現代では、この仮説を当てはめるとしたら同じ食材を一生大量に食べ続けるよりは食物アレルギー発症のリスク回避につながるのでは?と思ってます。

 

メーカー・原産国によって変える

 

これは私がフードローテーションをしている理由にもあげていることです。個人的は、2007年の大量リコールを考えると、自社工場で製造しているフードメーカーを加えています。

 

ローテーションするフードは2~3種類

 

キャットフードって調べだすとあれもこれも気になって「ベスト」を選びたくなりますよね。でも、どんな子にも合うフードなんて存在しないと思ってます。

 

猫の体質・体調・好みによって、その子にとってのそのときに合ったフードを選んであげたいです。

 

飼い主さんが安心できるフードをしっかり選んで、猫さんが食べてくれて、体調に不調があらわれなければローテーションに加えましょう。

 

 

種類はせいぜい3種類で良いです。そして、同じフードは3ヶ月は続けて食べるようにしたいです。フードの切替は多少なりとも猫の胃や腸に負担がかかります。

 

それに、吟味して選んだフードの効果を感じるためにもこのくらいの期間は必要です。慢性的な涙目だったのがフードを変えたら改善した!ということもありますよ。

 

1週間くらいかけてゆっくり切り替える

 

フードの切替は1週間程度かけて少しずつ慣らしていきましょう。それまでのフードに10%、20%と増やしてきます。

 

いきなり違うフードを出すと食べない猫さんも多いですし、なにより胃腸に負担がかかります。デリケートな子の場合、吐き戻してしまうこともあります。

 

切り替えたとき健康チェックをしっかり!

 

猫にとってフードローテーションは必要?実行するメリットとデメリット

キャットフードをローテーションする場合は、切替をしたときは普段以上に体調の変化に気をつけましょう。特に便はしっかり観察してくださいね。

 

健康なウンチの色は、基本的に茶色ですが、食べ物よって若干変わります。濃い・薄いなど濃淡の差はあっても、茶色であれば問題ないといえます。

 

初めてのフードの場合は特に気をつけましょう。

 

 

キャットフードのローテーションまとめ

 

キャットフードをローテーションするということは、きちんと目的を持って猫に負担の少ないように進めていくことが前提です。

 

愛猫が食べてくれなくなったから新しいフードを次々に与えることとは別です。これはフードジプシー!?

 

本来、キャットフードはどうしても切り替えなく出はならないものではありませんから、メリットとデメリットを天秤にかけて、飼い主が選択するべきことです。

 

私がフードローテーションを実行している理由はすでに書きましたが、最後にもうひとつ思うことがあります。愛猫は私の与える食べ物で生きています。

 

とても責任の重いことだと感じています。ただ買ってきたフードを機械的にお皿に盛るだけでなく、日頃からキャットフード=猫の食べるものに関心を持つことを忘れずにいるためにも役立っています。

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