猫の毛玉対策で毛球症を予防しましょう

猫が毛を吐くのは当たり前?毛球症になる前に予防しましょう!

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猫は私たち人間より吐き戻しをよくする動物であることは確かです。そのせいか、吐いた後もケロッとしていることが多く、吐いた内容物に毛が混じっていたりすると余計に「たいしたことない」と思っていませんか?

 

でも、何度も吐くことは猫の体に負担がかかりますし、何より飲み込んだ抜け毛が排出できずに毛球症という、猫自身ではどうにもできない状態になってしまったら一大事です。

 

この記事では、猫の毛球症についての詳細と、飼い主がしてあげられる毛玉ケアについて紹介します。

 

 

 

猫はどのくらいの頻度で毛玉を吐く?短毛と長毛の差は?

 

あなたの愛猫ちゃんはどのくらいの頻度で毛玉を吐きますが?猫は毛玉を吐くのが当たり前と思われていますが、実は短毛種の猫はそれほど吐き出しません。

 

そもそも、猫は毛繕いなどで飲み込んだ抜け毛は、通常便と一緒に排泄されます。毛玉を吐いたのを見たことがないという飼い主さんも一定割合います。

 

わたし自身、もう30年近く数匹の猫と暮らしていますが、まったく毛玉を吐かない子もいます。

 

猫が毛玉を吐くのは生理現象だから心配ない?

 

病気でもない限り、猫は毛繕いをします。あの尖った舌ですくい取るのですから、どれだけの量の抜け毛が胃の中に入っているか・・・想像するとちょっと引きますね。

 

毛は猫の体内に入っても消化や吸収はされません。そのまま便と一緒に出すか、口から吐き出すしかないわけです。

 

そういう意味では、猫が毛玉を吐き出す行為は生理現象といえます。

 

猫によって、毛玉を吐き出すときの様子はずいぶん違います。中には、吐き出す前にゲェッゲェッ!とかなり苦しそうに見える子もいます。でも、吐いた後ケロッとしていて食欲もあれば大丈夫でしょう。

 

問題なのは、毛玉を吐き出す頻度や定期的に吐いていた子が吐かなくなったり等、それまでと様子が変わったときです

 

じゃぁ、どのくらいの頻度で吐くのなら心配ないのか?という疑問ですが、獣医さんによっては週に数回吐く程度であれば問題ないという意見もあります。

 

ただ、これも換毛期など抜け毛の多い季節・・・飲み込む毛が多いときは無いとは言えませんが、年中毎日のように吐くのは個人的には多いでしょう!と思いますよ。

 

いくら生理現象と言っても、胃や食道に負担がかかっているということですからね。

 

短毛種だからといって安心できない!

 

一般的に毛玉を吐きやすいのは短毛種より長毛種です。毛が長いですからねぇ、当たり前です。吐き出された毛玉を見たことがある飼い主さんの割合も当然長毛種を飼っている人のほうが多く、おおよそ2倍ということです。

 

ただ、短毛種でも気をつけてあげたいタイプの子はいます。

 

毛の量が多い子

猫種によっては短毛であっても毛の量が多い子がいます。ということは、MIXでもいるわけです。もう亡くなってしまいましたが、我が愛猫の1匹が特に多い子でした。

 

子猫の頃、短毛なのにやたらバフバフしているし触り心地がいいなー、と思っていて、検診のとき獣医さんに「この子はアンダーコートが普通より3倍以上あるから、しっかりケアしてあげてね」と言われました。

 

まだ猫と暮らして日が浅く、あまり詳しくなかったので目からうろこでした。毛の短い猫って、特別ケアしなくても大丈夫なんだ、っていう認識でしたから。猫飼いド初心者ですね・・・。

 

毛量の多い短毛種
「シャトルリュー」「ブリティッシュ・ショートヘア」「ロシアンブルー」「アメリカンショートヘア」など

 

 

頻繁に毛繕いする子

猫の性格もそれぞれなので、毛繕いの頻度も十人(猫)十色です。猫は食後は特に念入りに毛繕いしますが、チャチャッと済ませちゃう子もいれば、もういいんじゃないの?というくらいしつこく念入りにケアする子がいます。

 

当然、やればやるだけ抜け毛が胃の中に入っていくわけです。

 

猫の毛球症の治療は?手術が必要な場合も!?

 

飲み込んだ抜け毛を上手く体から排出できればいいのけれど、それが胃や腸で固まってしまったら大変です。抜け毛が塊になって胃や腸にさまざまな症状を起こす病気が毛球症です。

 

猫の毛球症のしくみ

 

毛の塊はどこで作られるのか?それは胃です。たくさんの毛が水分でもまれて固まっていきます。食道や腸は内容物を運ぶ器官。水分で満たされているわけではないので、毛玉はできません。

 

だから、通常は飲み込んだ毛は食べ物と一緒に腸に流れて行って、そのまま便と一緒に出るというわけです。胃の中で毛玉を作ってしまったとしても、それを吐き出すことで排出できます。

 

ところが、胃の中で作られてしまった毛玉を体外に出すことができなくなってしまったら、胃の中で毛玉がどんどん大きくなってしまいます。その限界量を超えると、さまざまな症状が起きてきます。

 

猫の毛球症の症状

 

胃の中で毛玉ができても、限界を超えるまではあまり症状は見られません。違和感はあるので、たまに嘔吐することはあっても気がつきにくいです。

 

限界量を超えると、食欲が無くなったり頻繁に吐くなどの症状が見られるようになります。胃でできた毛玉が腸に入って詰まってしまうと腸閉塞という重大な病気を引き起こすこともあります。

 

怖い腸閉塞!
腸閉塞になると、ガスがたまるためひどく痛がります。食べ物が逆流して激しく嘔吐するようになり、体内の水分代謝も低下して、腎臓の障害を起こしたりショック症状を起こすなど、命にかかわります。

 

猫の毛球症の治療

 

毛玉を上手く吐き出せなくて食欲が無くなった、くらいの軽度であれば毛玉除去剤を飲ませて様子をみます。毛玉が消化管に完全に詰まってしまった場合は、開腹手術して取り除く必要があります。

 

獣医さんによると、毛球症の診断はちょっと難しいそうです。なぜなら、毛玉は通常のレントゲンでは写らないから。食べたものの残りやガスがたまっていることもありますし。超音波検査でもわからないときがあるそうです。

 

その場合、造影検査や内視鏡検査をして診断することもあります。

猫が毛を吐くのは当たり前?毛球症になる前に予防しましょう!

 

毛玉はレントゲン検査ではわかりにくい

 

重症の場合は外科的治療になりますが、食道や胃にあるときは内視鏡手術や胃切開して除去します。腸で詰まっているときは開腹手術となります。

 

開腹手術になった場合、事前検査などを含めてかなりの費用がかかることは覚悟しなければなりません。入院も必要になりますから、20万は・・・と聞いたことがあります。

 

 

飼い主が気をつけたい猫の毛球症予防!

 

毛球症はあんがい怖い病気です。最悪命に関わることもあります。ここでは、飼い主ができる愛猫の毛玉対策をまとめてみました。

 

やっぱりブラッシング!

 

飲み込む抜け毛を最小限に抑えるには、やっぱりこまめなブラッシングです。短毛種でも毎日することをおすすめします。日課になれば猫も慣れやすいです。特に換毛期は必須です。

 

ブラッシングが苦手な子もいますよね。できれば子猫のときから慣れさせておきたいです

 

 

 

とは言っても無理なものは無理!という子もいます。実は我が家にもいます。コームでも獣毛の高級ブラシでもラバーブラシでもダメ。ごっそり抜けると噂のファーミネーターなんてもってのほか!

 

ただ、このオレ様猫掃除機だけは平気なのです。というより好き?

 

なんでも試してみるべき、という提案です。参考にならないか・・・ですが。

 

ごっそり抜ける濡れ手ブラッシング

 

今の猫ズは無理なんですが、最初にちょこっと紹介したアンダーコート3倍のお嬢チャンはブラッシング大好きでした。そこで、かまってもらうの大好き猫さん向け、ごっそり取れる抜け毛対策を紹介します。

 

両手を濡らして逆毛で手ブラッシングをするだけです。水を入れた洗面器を横に置いて、何度か梳いて8分位乾いたら目の粗いコームやブラシで毛並みにそっていつも通りにブラッシングするだけ。

 

これ、ほんとにものすっごく抜けます。できれば浴室でやった方が良いのかもしれないけど、私は天気の良い日に日向でやってました。

 

そのあと部屋中を念入りに掃除機をかけるのをお忘れなく。

 

 

猫のグルーミング観察

 

猫がどのくらい毛繕いをしているか、日頃から観察しておきましょう。多頭飼いの場合は比較対象がいるからわかりやすいですね。

 

それぞれの猫のタイプを見極めておくという目的もありますが、いつもより多かったり少なかったり・・・変化をみることも大切です。

 

例えば、いつもより過剰に毛繕いしていたら、皮膚に異常があったりストレスかもしれません。

 

たまりやすい猫にはケアフード・サプリも

 

多くのキャットフードメーカーから毛玉ケアフードが販売されています。長毛種や毛玉を吐き出すのが苦手でたまりやすい子などはフードを変えるのも良いかもしれません。

 

ただ・・・個人的にそれを常食とするのはどうかと思っています。毛玉ケアのキャットフードの特長は、食物繊維を多く配合していることです。

 

毛玉ケアのキャットフードの特長

 

毛玉ケア用のキャットフードは通常、可溶性食物繊維や不溶性食物繊維を使って、効果的に飲み込んだ毛を便と一緒に排泄させやすいよう工夫がされています。配合は各メーカー独自のものなので購入の際は原材料や保証成分を見て決めましょう。

 

猫が毛を吐くのは当たり前?毛球症になる前に予防しましょう!

換毛期など、特に毛玉がたまりやすい時期のフードとして使い、それ以外は他のフードを使うなど分けても良いと思います。

 

効果を出すためには、毛玉ケアフードだけで2週間くらいは様子を見る必要があります。効果があるか確認するには、便をチェックしましょう。ウンチと一緒に毛玉が出ていれば効果があったと判断できます。

 

食物繊維が多すぎると便秘や下痢といった症状を起こす猫もいますので、毛玉ケアだけに気をとられて合わないフードを食べていたら本末転倒です。

 

毛玉除去剤を使う際の注意点

 

ペットコーナーにも並んでいる毛玉除去剤ですが、これは潤滑油のような働きをして便と一緒に毛を排泄させます。参考に、いくつかの商品の主成分を載せておきます。

 

スッキリン(現代製薬) 流動パラフィン、グリセリン、アラビアゴム末、麦芽エキス
ラキサトーン(フジタ製薬) 流動パラフィン、白色ワセリン(コーンシロップや糖蜜で味つけ)

 

これらの商品の特長は流動パラフィンが使われていることです。流動パラフィンとは、石油を精製して得られる炭化水素化合物です。

 

別名ミネラルオイル、ホワイトオイルや白色鉱油、水パラフィン、ミネラルオイルホワイト、医療用パラフィンなどがあります。

 

その用途も広く、ベビーオイルなどの化粧品や医薬品の基剤・溶剤など様々な分野で使われています。

 

結局のところ、スッキリンやラキサトーンといった毛玉ケア商品は下剤なのですね。ただ、下剤と言ってもいくつか種類があります。

 

流動パラフィンを使ったものは粘滑性下剤と言い、便をやわらかく・腸壁を滑らかにする・水分吸収を阻害するといった効果で排便を促すタイプです。下剤の中でも緩やかな下剤・・・ってかんじです。

 

安全性は確認されたものですが「下剤」なわけです。長期の連用は避けるべきでしょう。気になる点は、脂溶性ビタミンやその他の栄養素の吸収を妨げてしまう可能性があることです。

 

ただ、毛玉がたまって排出できなくなる事態を考えると、換毛期などには投与して排泄させることも必要と言えます。

 

毛玉除去剤はメリット・デメリットを考慮して効果的に使うべし

 

 

乳酸菌サプリで腸の蠕動運動を正常に!

 

普段から便秘気味だったり、腸の動きが弱くなっていると飲み込んだ抜け毛もスムーズに排泄できません。猫が快便でいられるように、乳酸菌のサプリを与えることも予防になります。

 

ペット用の乳酸菌サプリはたくさんありますので、猫ちゃんに合ったもの・飼い主さんが使いやすいタイプのサプリメントを見つけてくださいね。

 

パウダー状のものが多いですが、我が家イチオシは錠剤タイプの毎日爽快です。

 

 

 

おまけ:愛猫の抜け毛を使ってこんなことも

 

猫好きさんであればご存知かと思いますが、猫の毛って羊毛フェルトのように使えます。作家さんも増えてきて、独自にテキストを販売していたり、教室を開いたり活躍している方もいますね。

 

うちの猫の抜け毛も再利用してみようかな?という人には、こちらの書籍もおすすめです。

 

 

まとめ

 

猫が毛を吐くのは当たり前?毛球症になる前に予防しましょう!

毛繕いによって飲み込んだ毛は、便と一緒にスムーズに排泄されれば問題ないのですが、長毛種や被毛の多い子、毛繕いが念入りな子は毛玉を吐くことも多いです。

 

猫が毛玉を吐き出すことは生理現象のひとつです。たいてい吐き出した後はケロッとしていますね。

 

ただ、やはり頻繁に吐くことは胃や食道に負担をかけます。そして怖いのが毛球症です。口からも便と一緒にも排出できなくなった毛玉が詰まってしまうと、最悪命に関わることになります。

 

そうなる前に、日頃から猫の毛繕いの様子や毛玉を吐く時期やタイミングなど観察しておくことはとても大事です。その上で毛玉ケアのフードやサプリを使う方法を選んでください。

 

何と言っても予防はこまめなブラッシングです。猫の口に入る前にできるだけ取っておきましょう!

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