アカナキャットフードを子猫に与える場合の給餌量は?栄養は足りているか心配!?
ツイートキャットフードには子ねこ用、成猫用、シニア用など、ライフステージに合わせたものを与えることが一般的だと思っていたら、アカナは全ライフステージ用と書かれています。
アカナに限らず、最近注目の集まっているハイプレミアムフードはその傾向が強いです。たいてい外国産のキャットフードですが、本当に子猫からシニアまで大丈夫?と疑問がわきます。
子猫は大人と同じ食事で大丈夫なのか、アカナを与える場合はどのくらいの量が適切なのかまとめました。
子猫には好きなだけ食べさせよう!成長期の栄養不足は深刻
自然界で生きる猫は、離乳期になると母猫の捕ってきたネズミなどの獲物を少しずつ食べ始めます。これがいわゆる離乳食ですね。人間も同じです。赤ちゃん用のお米やジャガイモなんて存在しませんしね・・・。
乱暴に言ってしまえば、大人も子供も同じものを食べるのが動物として自然なのです。
ただ、現在は猫のごはんは市販のキャットフードがメインです。子猫には子ねこ用を食べさせなくちゃいけない・・・そんな風にインプットされてしまうのも仕方ないです。
子ねこ用と成猫用のキャットフードって何が違うの?
子ねこ用のフードは何が違うのか・・・まず思いつくのがエネルギー量の違いですね。フードの100g中のカロリーが子ねこ用の方が多いです。あとは、メーカーによって○○を強化しています!と謳っていることもあります。実際どのくらい違うかみてみましょう。
ピュリナワン:代謝エネルギー
子ねこ用(チキン)・・・約440kcal / 100g
成猫用(チキン)・・・約430kcal / 100g
ヒルズサイエンスダイエット:代謝エネルギー
子ねこ用・・・425.3 kcal/100g
成猫用・・・416.1 kcal/100g
蛇足ですが、メーカーによって代謝エネルギーが違っていますが、この数値が高い方が高カロリー商品だと一概には言えません。
※メーカー同士を比べた場合、という意味です。この辺は細かくなりますので機会があれば書きたいと思います。
必要な栄養素も成長期の子猫と成猫では違っている
AAFCO(米国飼料検査官協会)では、タンパク質やいくつかのビタミンおよびミネラルが成猫より子猫は必要摂取量が多くなっています。ピックアップしたものがこちら。
成長期の子ねこ | 成猫 | |
---|---|---|
タンパク質 | 30.0%以上 | 26.0%以上 |
カルシウム | 1.0%以上 | 0.6%以上 |
リン | 0.8%以上 | 0.5%以上 |
マグネシウム | 0.08%以上 | 0.04% |
ビタミンA | 6668 ー 333300IU | 3332 -333300IU |
アカナキャットフードを子猫に適しているかどうか、上記の基準をクリアしているかがひとつの答えです。
- タンパク質 ・・・37.0% 以上
- カルシウム ・・・1.5% /以上
- リ ン ・・・1.1% 以上
- マグネシウム・・・0.1%以下
ビタミンAに関しては記載がありませんでした。ただ、レバーや全卵を使っていることから十分足りていると推測します。
ビタミンAは緑黄色野菜に多く含まれていることが知られていますね。特に人参や小松菜。でも、レバーや鶏卵、牛乳にもたくさん含まれているのです。
成長期にしっかりした体を作っておこう!
子猫期は生後1年未満をさします。メインクーンなどの大型種を除けば、だいたい猫は1歳で大人の体ができあがり、成長も止まります。
この1年の間も、月齢によって成長スピードは大きく異なり、特に生後4ヶ月くらいまではまさにグングン成長します。生後半年くらいになると、ずいぶん大人の体格に近付いてきますが、まだまだ成長しますよ。
成長期に栄養不足だと、骨や筋肉の発達に影響が出ます。重症便秘の記事でも書きましたが、猫は体の構造上骨盤腔(骨盤で囲まれた空間で直腸が通る穴)がもともと狭いのです。
せまい物陰に潜んで狩をする習性のため進化したと言われています。巨大結腸症の原因のひとつに、こうした骨格の未発達による構造上の問題もあるので、子猫時代の栄養不足は深刻なのです。
成長期に十分な体を作ることができないと、将来病気のリスクが高くなることは十分予想できます。
成長期の子猫は好きなだけ食べさせてOK
キャットフードのパッケージには、たいてい給餌量の目安が書かれています。もちろん、これはこれで大いに参考になりますが、一番大切なのは「その子にとっての適量」です。
人間でも大柄な人、小柄な人といるように、猫も個体差があります。猫は犬と違って血統種によってもそれほど差が無いように思われますが、大人になっても平均して2kgから3kgの小型種もいれば、10kgにもなる大型種がいます。
小型猫ではシンガプーラが有名ですが、近年人気のマンチカンのメス猫も小さいです。大型種ではメインクーンが知られていますね。
日本で飼育されている8割までがMIX猫です。雑種なんて言われますが、個体によって体格差がずいぶんあります。
また、成長の仕方にも個体差があります。兄妹猫で同性でも、小さい赤ちゃん猫の頃は一番おチビさんだったのに、離乳食を始めたらぐんぐん大きくなったり、生後4ヶ月頃に体格が逆転することもあります。
猫は自分で必要なだけの栄養素、この場合は成長に関わるタンパク質のことですが、それをわかっていると言います。要するに、必要な分だけ食べる・・・というわけです。
風邪を引いていたり、何か他に体調不良、病気などの場合は別ですよ。あくまで元気で健康な子猫の場合は、好きなだけ食べさせてよいという意見が今は主流です。
特に生後7、8ヶ月くらいまでは食べても肥満になる心配はまずないでしょうから、いくつかの点を注意しながら、好きなだけ食べさせても大丈夫です。
子猫の胃は小さい!食事は1日多数回に分けよう
子猫のうちは成猫より多くのエネルギー量を必要とします。でも、まだ胃は小さいので一度にたくさんの食事をとることができません。そのため、子猫のときは1日に何度にもわけて食べられるようにしておくのがベストです。
子猫はお腹が一杯になったら食べるのを止めます。もしウンチが柔らかすぎるな、と思ったら少し量が多いかもしれません。お腹の調子もよく、順調に体重が増えていれば問題ないでしょう。
子猫に必要なエネルギー量ってどのくらい?成猫の○倍!
反対に、心配なのが食べない場合です。栄養が足りているのか、しっかり育っているのか・・・。ドライフードをカリカリ食べてくれるようになるのは、だいたい生後2ヶ月あたりです。
- 誕生時は80から120g
- 4週齢、500gくらいになる そろそろ離乳食開始
- 2ヶ月過ぎた頃には離乳食卒業
成長期に必要なエネルギー量の目安ですが、4ヶ月までは成猫時の約2.5倍の給与量、5-8ヶ月の期間は成猫時の約2倍の給与量、8-10ヶ月で成猫時の約1.5倍の給与量といわれています。
フードの量は猫の体重を基準とします。
アカナキャットフードの子猫の給餌量の目安は?
成長期の子猫には、十分なタンパク質と脂質が必要です。アカナはAAFCOなどキャットフードの栄養基準をクリアしています。
また、アカナのコンセプトである「生物学的に適正」というのは、猫の自然な食事を再現しています。真正肉食動物であるネコ科の本来の食事、高タンパク質低炭水化物を実現しています。
子猫にとって理想的なバランスのフードといえます。
さて、給与量の目安ですが、先述したように成長段階によって成猫の1.5-2.5倍のエネルギー量が必要です。実際にどのくらいの量なのかまとめました。
生後4ヶ月までの子猫の給餌量の目安
体 重 | 成 猫 | 4ヶ月齢までの子猫 |
---|---|---|
1.0㎏ | 50g | |
1.5㎏ | 75g | |
2.0㎏ | 40g | 100g |
2.5㎏ | 125g |
大体このくらいが目安になります。ただ、個体差があるのできちんと成長しているかをしっかりみている必要があります。体重はこまめに計りましょう。理想は毎日です。
2kgまではキッチンスケールが便利です。
生後5ヶ月から8ヶ月頃までの給餌量の目安
4ヶ月齢までは本当にみるみる大きくなっていきます。5ヶ月頃になるとそのスピードは少し落ちますが、それでも1週間で100g前後は成長します。食事量もまだ成猫の2倍は必要です。
体重 | 成猫 | 5ヶ月-8ヶ月 |
---|---|---|
2.0㎏ | 40g | 80g |
3.0㎏ | 45g | 90g |
4.0㎏ | 60g | 120g |
避妊去勢後のフードの量はどうする?
猫は生後半年頃から性成熟が始まります。雌猫は妊娠可能にもなります。最近は生後7ヶ月頃までに避妊去勢を済ませる傾向がありますね。そうなると食事の内容や量をどうするか悩むと思います。
まずは手術の際に獣医さんに相談してください。たいていの場合は成猫と同じにしていくように言われます。子ねこ用のフードを食べ続けると肥満になってしまうよ・・・って。
アカナキャットフードを与えている場合は、フード自体を変えるわけではないので徐々に量を減らしていきましょう。成猫になれば子猫のときほどいっぱい食べることはなくなると思いますが、好きなだけ食べさせるのはおすすめしません。
ただ、当の猫ちゃんがどのくらいまで大きくなるかは成長してみないとわからないんですよね。存外大柄の子で、ベスト体重が7㎏というMIXさんもいます。
そこで、肥満になる前に飼い主さんがボディコンディションスコアを参考に太り始めているか確認していくと良いと思います。
環境省『飼い主のためのペットフード・ガイドブック』より
子猫とアカナキャットフードまとめ
成長期の子猫は、高カロリーで高タンパクな食事が必要です。タンパク質は筋肉や皮膚、内臓、被毛、爪など体を作るだけでなく、猫にとってもっとも重要なエネルギー源です。
私たち人間は、炭水化物を主なエネルギー源としますが、猫はタンパク質からエネルギーを作り出しています。そのため、タンパク質が不足すると成長に大きく影響を与えてしまいます。
また、タンパク質も肉食動物であるネコ科の本来の食事である動物性タンパク質が良いとされています。植物性タンパク質に比べて消化吸収率が高いことがわかっています。
さらに、子猫はまだ腸が未熟なので炭水化物をうまく利用できません。それらを総合すると、成長期の食事のポイントは、
といえます。
アカナキャットフードは市販されている子ねこ用のフードに比べてもエネルギー代謝もタンパク質量も十分です。加えて、原材料の鮮度や安全を考えるとまさに成長期に安心して与えられるフードといえます。