リニューアルしたオリジンキャットフード!変更点と強化された企業コンセプトとは?
ツイートグレインフリーのペットフードを広めた先駆者ともいえるチャンピオンペットフーズ社ですが、猫用のフードはオリジンとアカナのふたつのシリーズがあります。
どちらも、2017年リニューアルされました。犬猫の本来の食事を追及するフード作りの姿勢はひとつのところに満足することなくパワーアップされた印象を受けます。
今回は、オリジンシリーズがどのように変更されたのか、チャンピオンペットフーズ社の理念も併せて紹介します。
オリジンキャットフードの考える猫本来の食事とは
オリジンキャットフードを選ぶ理由のひとつにグレインフリーのキャットフードであることは大きいです。猫本来の食事=グレインフリーという図式になるのも納得です。
ただ、注意したいのは穀物不使用と謳っている商品であっても、原材料に使われているものには違いがあり、各社のコンセプトやコスト上の問題があることは知っておきましょう。
猫本来の食事は高タンパク低炭水化物
猫は肉食動物です。炭水化物をまったく必要としないわけではありませんが、栄養のほとんどをタンパク質と脂質からでまかなえるのです。
人間など雑食動物は、エネルギーの多くを炭水化物をブドウ糖に変えることで得ていますが、猫はタンパク質や脂質をエネルギーに変えます。
そのため、猫の主食となるキャットフードは高タンパク低炭水化物が望ましいのです。
また、タンパク質であっても動物性タンパク質であることが重要です。猫は植物性タンパク質からでもエネルギーを得ることはできますが、真性肉食動物である限り、一定量の動物性タンパク質は必ず必要です。
オリジンにはヒューマングレードの多種多様な肉が85-90%含まれています。
猫にとっての炭水化物
米や小麦・とうもろこしなどイネ科の炭水化物は確かに猫にとって必要のないものです。だからと言って、炭水化物がまったく必要ないかというとまた別です。
食物繊維や肉食だけでは補えないビタミンやミネラルがあり、自然界では猫は獲物であるネズミの消化器官にあるそれらを食べることによって補ってきました。猫はネズミを丸ごと食べます。
でも、その量は微量です。ネズミの胃の中に残っている量はとても少ないことは想像できますね。
また、猫はネズミを丸ごと食べると書きましたが、必ずというわけでもないという報告もあります。食べたり食べなかったり・・・猫は自分でそのとき必要なものを食べるという本能が備わっています。
でも、多くの市販のキャットフードには穀物が使われていて、炭水化物量は自然からの食事よりずっと多いのが現状です。ネズミを丸ごと食べたときの炭水化物量は10%未満です。
健康な猫であれば、フード中の炭水化物量が35%程度であれば問題ないとされています。ただ、その食事は猫本来のそれとは違うということは覚えておきたい事実です。
オリジンは炭水化物量を20%未満に抑えています
猫と炭水化物についてはこちらの記事も参考にして下さい。
猫は炭水化物が苦手って本当?なぜキャットフードに使われているの?
肉以外の原材料にもこだわりが!低GI食材を使用
オリジンはグレインフリーといった枠を超えて、猫本来の食事を追及しています。それは姉妹ブランドであるアカナも同様です。
『生物学的に適正』と表現されているチャンピオンペットフーズ社のキャットフードは、猫の自然な食事に含まれない原材料は使用していません。
最近わたしたちの食事でもGI値という言葉をよく耳にします。GIとは食品に含まれる糖質の吸収度合いのことで、グルコース(ブドウ糖)の吸収率を100とした場合の数値によって、GIが70以上の食品を高GI食品 56~69の間の食品を中GI食品 55以下の食品を低GI食品と定義されています。
キャットフードでも比較的よく使われるジャガイモは高GI食品です。オリジンが原材料に選ぶ豆類はほとんどが低GI値食品です。
オリジンキャットフードはリニューアルして何が変わった?
さて、もともとハイグレードはキャットフードとして知られていたオリジンですが、2017年のリニューアルで何が変わったのでしょう?
カナダからアメリカへ工場移転⇒2021年カナダノーススターキッチン始動
オリジンのサイトを見ると、商品コンセプトの「生物学的に適正」をさらに強化するために新たな工場建設が必要であり、それが実現可能だったのがアメリカだったということが移転の理由です。
チャンピオンペットフーズ社は製造工場をキッチンと呼びます。記事内ではこれに倣って進めますね。
アメリカでのキッチンはSQF(Safe Quality Food:安全品質食品)とSFSF(セーフフィード/セーフフード)認証を受けたドッグスター。ドッグスターは2016年にデザイン・ビルド・アワード受賞キッチンです。
これらは、設計から施工まで一貫して人間用食品加工業で必要とされる食品安全基準を満たした製造施設である証です。
原材料の産地の変更は大丈夫?
工場移転に伴って、原材料の産地もカナダ産からアメリカ産になりました。これに対して不安を持つ消費者もいると思いますが、サイトではこう説明されています。
オリジンで使われている原材料は、どれも『人間が食べても問題ない食材』です。いつ・誰が・どこで作っているのか明確なもののみを使用しています。
※キッチン(製造工場)がカナダに移転したことで原材料に変更があるのか調査中ですが、企業理念が素晴らしいのでこのまま載せておきます。
原材料の肉比率がアップ
リニューアルに伴って、原材料における肉の比率がアップしました。80%から90%へ!オリジンは、あくまで猫の本来の食事にこだわったキャットフード作りをしているのです。
オリジンの哲学
全ての犬・猫は肉食動物であり、肉を中心とする食事に適した体の作りをしています。一方、穀物に多く含まれる炭水化物の消化が苦手な動物です。
ペットフードには、犬と猫の健康のためではなく、便利さと安さを追求して開発された歴史があります。犬と猫にとって不適切な原材料でありながらも、安い穀物や副産物を使用することで、低価格での製造が実現できます。ペットフードが開発されて以来、犬と猫はその食生活に順応していったとの意見もありますが、 あくまで体の構造は肉食動物であり、穀物は必要としていません。
ディハイドレート肉の使用により添加サプリメントの減少へ
グレインフリーキャットフードの中でも、オリジンが優良であると考える理由のひとつに、添加物の量がとても少ないことがあげられます。ペットフードは製造過程の加熱や加圧によってミネラルやビタミンが失われます。
それらを補うために、多種類のサプリメントを添加する必要があります。実際に、ペットフードには多くの添加物が使用されています。
ただ、こうしたビタミン、ミネラルをサプリメントとして加えてあっても、無添加と表示されているフードがたくさんあります。
なぜなら、「無添加」というあくまでも特定の物質が使用されていないことを表す表現であり、何が無添加であるというような規定はないからです。
オリジンはその点にも警鐘を鳴らしています。オリジンは、ディハイドレート肉を使用することによって、添加するサプリメントを減らしています。
ディハイドレード肉とは、新鮮な肉を低温でじっくりと乾燥させ水分をとばしたもの。そのため食材の栄養分を逃すことなく活用することができます。
肉・臓器・軟骨など丸ごとの素材の栄養素を摂ることができるため、添加するサプリメントは亜鉛と銅の2種類のみなのです!これ、すごいですよね。
オリジンキャットフードの種類と特徴
リニューアルしたオリジンキャットフードのラインナップは全部で5種類です。それぞれ原材料の肉によって特徴があります。
使用されている肉材料 | |
---|---|
レジオナルレッドキャット | アンガスビーフ、イノシシ、山羊、ラム、ポーク、天然魚 |
6フィッシュキャット | サバ、ニシン、アブラカレイ、レッドフィッシュ、モンクフィッシュ、シルバーヘイク |
キャット&キティ | 鶏肉、七面鳥、イエローテイルカレイ、卵、サバ、ニシン |
フィット&トリムキャット | 鶏肉、七面鳥、卵、カレイ、ニシン、タラ |
ツンドラキャット | 山羊、イノシシ、鹿、ホッキョクイワナ、鴨、マトン |
肉の種類以外の相違点をまとめてみました。
タンパク質 | 脂 質 | 繊 維 | 肉比率 | 代謝エネルギー | |
---|---|---|---|---|---|
レジオナルレッドキャット | 40% | 20% | 3% | 90% | 406Kcal/100g |
6フィッシュキャット | 40% | 20% | 3% | 90% | 406Kcal/100g |
キャット&キティ | 40% | 20% | 3% | 90% | 406.Kcal/100g |
フィッシュ&トリムキャット | 44% | 15% | 6% | 85% | 375Kcal /100g |
ツンドラキャット | 40% | 20% | 3% | 85% | 412kcal/100g |
多くのキャットフードメーカーが猫の嗜好性を考慮してラインナップを揃えているように、オリジンもまた肉派・魚派の猫さんの商品があります。
フードを切り替えるときは、なるべくそれまでのフードの味に近いほうが猫も食べてくれると考えると、オリジンのファーストチョイスは、
好みの味で選ぶ場合
チキン味が好き
魚系が好き
こんな感じになると思います。ツンドラキャットはヤギ肉、イノシシ肉、鹿肉、イワナ、鴨肉、マトンなど
バラエティに富んだ肉原材料を使用していて、好き嫌いがある猫さんにおすすめですが、現在公式サイトでは販売されていません。
取り扱っている販売店もありますが、在庫切れが多いです。ワイルドってかんじで日本ではあまり人気がないのかな?
オリジンキャットフードはどこで購入するべきか
オリジンキャットフードのサイズ展開は340g、1.8㎏、5.4㎏です。これもリニューアルで変更されました。実質値上がりしています。
340g・・・1,300円
1.8㎏・・・5,800円
5.4㎏・・・12,000円
(全商品税抜き価格)
決してお安くはないですね。オリジンによる給与量の目安では、体重4kgの成猫の場合57g/日なので、1ヶ月で1.8㎏入りを1袋消費することになります。
オークションサイトでみかける並行輸入品について
ショッピングサイトやオークションサイトで販売されているものの中で、並行輸入品があります。海外製品の場合、海外メーカーから日本の正規販売店を経て小売店、そして消費者へと渡りますが、メーカーと直接関係のない第三者が購入して輸入したものが並行輸入品です。
商品としては偽者というわけではなく、あくまで同じものなのですが、消費者の手に渡るまでの過程に違いがあります。正規品より安い値段がついていたりして、同じものならば・・・と思ってしまいますが、ちょっと待って下さい。
介入する第三者とは、ペットの健康を考えた愛猫家とは限りません。どんな状態で保管されたのか気になります。実際にレビューでは、開封したらフードが粉々になった状態だったという書き込みもあります。
ショッピングサイトでオリジンを購入する場合
楽天やヤフーに出店しているペット用品店から購入する場合の注意点です。
- 正規販売店であること
- 消費期限を事前に確認する
オリジンをはじめ、プレミアムフードの消費期限は短いです。また、保存にも気を使う必要があります。愛猫の口に入るものですから、安全なものを選びたいですね。
正規の販売店でも10%OFFくらいの値引きがほとんどなので、オリジンキャットフードは公式サイトから購入することをおすすめします。