猫の下痢と消化管内寄生虫

保護した猫のウンチが緩い!子ねこが注意したい寄生虫の種類

猫が下痢をするときってどんなときでしょう?

 

人間だったら、「なにか変なもの食べたかな?」「お腹が冷えたかな?」「もしかして胃腸風邪!?」いろいろな原因が考えられます。

 

猫の場合もまったく同じです。何らかの病気の場合もあるし、食べたものが原因かもしれません。ストレスも大いに考えられます。

 

その中でも、この記事では現代の日本に住む私たちには考えにくい原因である『寄生虫』による下痢について紹介します。

 

 

猫の下痢症状とはどんな便の状態をいうのか?

 

猫はどちらかというと便秘になりやすいというイメージがありますね。わが家の面々も、どちらかというと下痢より便秘がちです。

 

ただ、これはある程度体力も免疫力もついた大人の猫の場合です。子猫はすぐに下痢をします。風邪を引いた、環境変化によるストレス、寝床が寒い等々。腸内環境がまだ未熟なため、下痢を起こしやすいです。

 

毎年子猫を預かると、かなりの高確率で下痢ッピがやってきます。そして多くの場合、お腹の虫が原因だったりするのです。

 

保護した猫のウンチが緩い!子ねこが注意したい消化管内寄生虫

 

猫の健康なウンチって?

 

人間の場合、健康なウンチは『1本バナナウンチ』と聞きますね。猫もたいして変わりません。さすがにバナナではなく、人間の人差し指くらいですけど。

 

第一関節くらいの固まりがコロコロといくつか・・・これが猫のふつうの便だと思っている人も多いのですが、これは水分が足りていない状態です。

 

色は薄茶から濃い茶色。ただこれは食べるフードによって違ってきます。合成着色料を使ったキャットフードを食べれば、その色がついたウンチが出てきます。

 

特に赤系は目に付きやすいです。一度、保護猫のウンチが所々レンガ色っぽくてびっくりしたことがあります。

 

適度な水分を含んでいること。スコップですくったときに崩れないくらいです。排便直後なのに、見た目で表面が乾燥しているようであれば水分不足です。

 

下痢かも?要チェックのウンチの様子

 

明らかに水様便のときは、猫砂にバッと拡がっているのでわかりやすいですね。また、スコップですくうときに簡単に形がくずれる場合は水分が多い状態です。

 

どろんとソフトクリームやケチャップ状の軟便も下痢ですが、がっちり固まる猫砂を使っていると、時間が経つとわかりにくい場合もあります。

 

ん?なんかひとつの固まりが大きくないか?と思ったら、硬さを確認してみましょう。

 

下痢で考えられる猫の病気には何がある?

 

猫が下痢になる原因は食あたりなどの一過性のものから、腫瘍など病気のこともあります。まず、軟便または下痢便の状態によって、消化管のどこが炎症を起こしているかおおよその見当がつくので紹介します。

  • 水溶性の下痢→小腸の炎症
  • 粘液状で血が混じっている→大腸の炎症
  • 嘔吐を伴う→胃の炎症
  • その他→腫瘍・寄生虫・肝臓の疾患

次に、下痢で考えられる主な猫の病気です。

  • 猫汎白血球減少症
  • 胃腸炎
  • 消化管の寄生虫
  • 中毒
  • 消化器の腫瘍
  • リンパ腫
  • 肝炎
  • 甲状腺機能亢進症
  • 腸閉塞
猫の食事と下痢について

病気や寄生虫などが原因ではなく、単に食事が原因で下痢を起こすことも少なくありません。たいていは、『フードを変えた・食べ過ぎ・フードの脂肪分が多い』です。1-2回の下痢で元気も食欲もある場合は、食べているキャットフードを見直してみましょう。

 

猫の寄生虫の種類は?検査方法と駆除、注意点

 

猫の消化器系には他種の寄生虫が寄生します。中でも、小腸に寄生するものが多く、寄生虫の虫卵や幼虫が便に混ざって排出されることがあることから、糞便検査が寄生虫検査の代表となっているのですね。

 

ちなみに、消化器系とは口から肛門までの消化管と、それに付随する唾液腺・肝臓・膵臓などの消化腺から構成されます。これらは食物の消化と吸収を行う一連の器官です。

 

寄生虫にはとても多くの種類がありますが、今回はよく知られたものに絞っていくつか紹介します。

 

猫回虫症とは?感染経路と症状

 

保護猫はまず糞便検査をしますが、回虫はかなりの確率で感染しています。感染経路は、感染猫の糞便中に排出された虫卵を経口的に摂取することです。虫卵を摂取したネズミなどを捕食することによっても感染します。

 

さらに、母猫が感染していた場合、母乳を通して子ねこに感染します。回虫の成虫は小腸に寄生しますが、幼虫は全身の組織にとどまります。分娩後の母乳に回虫の幼虫が出現するのです。

 

保護した猫のウンチが緩い!子ねこが注意したい消化管内寄生虫

 

健康な成猫が感染した場合は、無症状のことも少なくありません。でも、子猫の場合は注意が必要です。主な症状は下痢で、重症になることもあります。

 

下痢が続くと脱水症状を起こすこともありますし、栄養が十分に摂れず発育不良になってしまうことも!大量の回虫が寄生すると、小腸が閉塞してしまい命に関わることもあります。

 

猫鉤虫(コウチュウ)症とは?感染経路と症状

 

鉤虫はあまり耳慣れない人も多いと思います。以前は比較的多くの感染例がありましたが、最近はあまり聞かなくなりました。ただ、ブリーダーの飼育舎など集団で管理しているときにしばし発生するようです

 

感染経路は、糞便中に排出された虫卵が外界で孵化して幼虫が発現し、さらに発育して感染力を持ちます。これを口から、または皮膚を窄孔して感染します。経口感染だけでなく経皮感染もするわけです

 

感染すると主な症状は下痢です。また、鉤虫は血を吸うのでたくさんの寄生を受けると貧血になります。

 

猫の条虫症とは?多いのはこの3種類!

 

条虫はいわゆるサナダムシです。条虫にもいくつか種類がありますが、最近の猫に出現しやすいのはこの2つです。

  • マンソン裂頭条虫
  • 瓜実条虫

マンソン裂頭条虫は、都会ではあまり聞かれない猫の寄生虫で、反対に瓜実条虫はペットとして飼っている猫、特に完全室内飼育であっても気をつけなければならないほどポピュラーです。条虫といったら瓜実条虫を指すくらいです。

 

保護した猫のウンチが緩い!子ねこが注意したい消化管内寄生虫

その理由は、まずマンソンはカエルを捕食することから感染します。瓜実条虫はノミが媒体になることはよく知られていますね。

 

寄生虫は、成虫になって最終的な宿主に寄生するまでにいくつかの成長段階を必要とするものがあります。マンソンと瓜実条虫はそのタイプです。

 

都会で暮らす外の猫・・・カエルを捕食しているとはあまり考えられないですね。もちろんゼロではありませんし、実際私も住宅地で保護された猫からマンソンが出たと聞いたことはありますから油断はできませんけど。

 

瓜実条虫はノミが中間宿主なので、多くの猫が感染のリスクがあることは明白です。

 

どちらも、成猫は無症状であることが多いです。ただ、やはり子猫が感染した場合は激しい下痢症状で脱水を起こすことがあるので注意が必要です。

 

原虫症は顕微鏡診断が必須!

 

寄生虫には、条虫など10cmを超える大型のものから、体長2mm程度の壷形吸虫、さらには顕微鏡でないと観察できない単細胞動物があります。これらは原虫と呼ばれます。猫によく見られる原虫症は以下の3つです。

  • コクシジウム
  • ジアルジア
  • トキソプラズマ

これらの原虫症も、健康な成猫であれば感染しても無症状であることが多いです。子猫の場合は下痢を起こします。子猫の水様性、または粘液性の下痢がなかなか治らないという場合には、原虫症を疑います

 

猫を保護したら必ず検便をしよう!

 

猫の内部寄生虫は主に小腸に寄生するので、下痢症状が続く場合は糞便検査を受けましょう。また、保護した猫はまず動物病院で健康診断をすることをおすすめします。その際糞便検査はしっかり受けましょう

 

また、外に自由に行き来している猫の場合は、定期的に糞便検査を受けるようにしたいものです。できれば、完全室内飼いが好ましいのは言うまでもありません。

 

猫に寄生虫の感染があればしっかり駆虫をしよう!

 

病院で検便をして感染が認められたら駆虫薬での治療となります。使用する駆虫薬は動物病院によって違うと思いますが、どんな薬を使ったか聞いておきましょう。

 

 

駆虫薬はいろいろなメーカーから出されていますし、その効果も高いのでたいていの場合しっかり駆虫できます。ただ、中には薬の効きが悪い子もいたり、といったこともあります。

 

また、検便の際にかならず虫卵やシスト(原虫の感染源)が見つかるとは限らないので、一度の検査で発見できない場合があります。その場合、しばらくしても下痢が改善されない場合は再度検査をしましょう。

 

同じように、駆虫後の検便で消滅していても、数ヵ月後にまた見つかることもあります。

 

猫の寄生虫予防のポイント

 

幼猫や子猫を除いて、内部寄生虫の場合は感染してもそれほど重度の症状を起こすことはありません。ただ、免疫力の落ちたときには症状が出ることも考えられますし、寄生を受けている間は栄養分を取られていることには変わりありません。腸活にとって由々しき問題です!

 

感染がわかったらしっかり駆虫し、腸内環境を改善しましょう。その後の予防も大切です。それぞれの寄生虫の感染経路を知ることによって、予防策も取りやすくなります。

 

感染源を断つことが必須ですがそのために飼い主ができる3つのポイントです。

  1. 完全室内飼い
  2. ノミの駆除
  3. 糞便は素早く処理する

完全室内飼いにし、ノミをしっかり駆除することによって、中間宿主であるカエルやノミ、幼虫に寄生されたネズミ(この場合ネズミを待機宿主といいます)を捕食することもなく感染リスクがなくなります。

 

 

糞便に排出された直後の虫卵や幼虫は、まだ感染力を持っていないことが多いです。しばらく外界で発育した後に次の動物に感染できるようになります。

 

いつまでも糞便を放置しておくことは、衛生上よくないばかりか、再感染や多頭飼いの場合は他の猫へ感染してしまうリスクが高くなります。

 

猫の内部寄生虫まとめ

 

保護した猫のウンチが緩い!子ねこが注意したい消化管内寄生虫

寄生虫は滅多なことでは宿主である猫に悪さをしません。実際に多くの寄生虫は成猫であれば症状もなく、気づかず過ごすことがほとんどです。

 

ただ、あまりに多くの寄生虫に寄生されるとやはり消化管に影響が出ます。子猫であれば下痢が治まらずに衰弱したり、最悪命に関わることもあります。

 

子猫が下痢をしたり食欲がなく腹痛を起こしているようであれば、お腹に寄生虫がいるかもしれません。ペットショップやブリーダーから来た子、保護猫など例外はありません。

 

これは、この記事で感染経路などでも触れたとおりです。そして、外にいた猫を保護したら必ず検便をしましょう。

 このエントリーをはてなブックマークに追加 
トップへ戻る